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グローカルMAを知る

【顧客担当者×代表対談】
大手金融機関も頼る専門家チームがMAの“本当の力”を引き出す

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PROFILE

■松永 美生(株式会社SBI新生銀行 リテール営業推進部 CRM担当 営業推進役)
■福嶋 信(株式会社グローカルMA 代表取締役)

メガバンクとも地銀とも異なる、ユニークなポジションを占めるSBI新生銀行。例えば、国内の銀行の中で、個人預金残高のシェア率は1%程度だが、外貨預金残高では6%超(2019年・日銀統計)。顧客に外貨での運用を勧める、マーケティングオートメーション(以下、MA)による施策も効果を発揮しているようだ。同行では現在、より効果を上げるためのMA改善プロジェクトを推進中。今回は、SBI新生銀行でこのプロジェクトを担う松永美生・営業推進役と、同プロジェクトに専門家として加わっているグローカルMAの福嶋信・代表の対談を企画。なぜ大手金融機関が、メンバー十数名のベンチャー企業に、経営戦略の根幹を支えるプロジェクトへの参加を求めたのか。その理由に迫った。

施策にダメ出しできるエキスパートが必要だった

──まずは、SBI新生銀行さんが、グローカルMAに参加を依頼しているプロジェクトの内容を教えて下さい。

松永 当行がMAツールを導入して約4年。導入フェーズから活用フェーズへと移行しなければいけない時期に来ています。そこで、より効果を上げるために、これまでのMA施策とその効果を分析し、データやシナリオを整理するプロジェクトを立ち上げました。グローカルMAさんのチームには、特にシナリオのPDCAに関わる部分をお願いしています。
 
福嶋 SBI新生銀行さんはMAに関して、国内の企業の中でも、かなり早くから取り掛かっています。ですから、これまでに試したシナリオもかなりある。今は、それらのシナリオについて、「意味のあるもの」と「意味のないもの」を見極めて、整理していかなければいけない段階。「MAの導入段階」でも、「MAを活用できていない段階」でもない、独特のステージ。MA関連のプロジェクトとしては、珍しい内容になっていますね。
 
松永 導入当初は、沢山コンテンツを差し込んだり、長大なシナリオを作ってみたり。楽しい訳です(笑)。しかし、それは自己満足かもしれない。「バラバラなことをやっているのではないか」「MAツール導入前と変わっていないのではないか」と。そうした疑問が、今回、グローカルMAさんにお願いするきっかけになりました。

──MAの活用コンサルティングができる企業は他にもあると思います。グローカルMAに依頼した理由は何ですか。

松永 福嶋さんを始め、グローカルMAのチームの方々は、当行の商品やビジネス、お客様のことに精通した上で、より良い施策を考えてくれるからです。もしかしたら、当行の行員達よりも。例えば、福嶋さんには、「この施策じゃダメですよ」とご指摘いただいたこともある。それ位、当行のマーケティングのことを理解し、それをより良くすることに深く関わって下さっている。
 
当行のマーケティングの主な対象は、預金口座を持っているお客様に、資産運用のご案内をすること。正直、資産運用商品・サービスは、金融機関のなかで大きな違いはありません。その中で、お客様に興味を持っていただくために重要なのは「タイミング」です。お客様が当行と長くお付き合いいただいている間に、必ず資産運用に関心を持つ時が来る。そのタイミングで、サービスをご案内したい。私達がMAに期待しているのは、お客様ごとに最適なタイミングを見つけ、効果的なご案内をすること。その方法を、私達と一緒に考えて下さるエキスパートだからこそ、グローカルMAさんにお願いしたのです。
 
福嶋 実は、新生銀行さんがMAを導入した当時、私はまだグローカルMAを起業する前でしたが、チームリーダーとして導入プロジェクトに参画していました。松永さんとは、その時からのお付き合いです。ですから、新生銀行さんがMAで何をしたいのか、十分に把握できています。今回のプロジェクトに携わる当社のメンバーについても、私から知識をシェアして、プロジェクトの成功に貢献できる人財をアサインしています。

社内の意識のズレを埋める提案をしてくれた

──具体的に、プロジェクトの中で、どのような作業に携わるのですか。

福嶋 シナリオごとに、目標に対して本当に機能しているかどうかを「見える化」していっています。「正しいターゲットにコミュニケーションできているのか」「迷惑メールフォルダに格納されてしまうなど、迷惑コミュニケーションになっていないか」「ターゲットの行動を考えて作られているのか」「データ収集目的のシナリオならば、数値が正しく取れているのか」。
 
そうした観点からシナリオの「設計」から「ターゲットに届くプロセス」、そして「効果」と、入口・途中・出口の全部をチェックしていきます。シナリオ数が膨大なので大変な作業になりますが、ここが間違っていると、正しいゴールが見えて来ませんから。MAが期待されつつも普及スピードがまだまだなのは、この手間の掛かる作業をやり切れるエキスパートが不足しているからかもしれませんね。

──今回、SBI新生銀行さんが「グローカルMAに頼んで良かった」と感じたエピソードがあれば、シェアして下さい。

松永 沢山ありますが、直近では、MA導入初期に作ったシリーズメールを大きく作り直した案件ですね。どのようなメールにするかについて、行員の間で意識のズレがありました。テクニカルなことを良く分かっているエンジニア系のメンバーが「こうあって欲しい」と思うものと、商品・サービスの浸透を目的としている企画系のメンバーが「これでいい」と思うことが、かなり相反していて。どちらが正しいか一概には言えず、どちらかに寄ってしまうと、プロジェクトチームの間に亀裂が走ってしまう心配もありました。
 
その時、グローカルMAさんが提案してくれたものは、両者の想いを同時に反映する、第三の案でした。お陰でチームの一体感を損なわずに済んだ。この件に関して、私達の側からグローカルMAさんに、相談した訳ではなく、自ら行内の人間関係まで観察して下さって、トラブルが起きないように先手を打っていただいた。本当に有難かったですね。
 
福嶋 新生銀行さんに、組織の内部に僕らを入れてくれる度量の深さがあったからこそ、できたことです。「ここからは自社でやる」と、僕らの様な会社のメンバーに対して線を引く企業も多い中、松永さんは以前からワンチーム論を唱えていて。僕らが入っていける体制を整えてくれていた。今回、僕らが潤滑油の役割を果たせたのも、その体制があったから。「ワンチーム」「ベンダーではなくてパートナー」。松永さんのこうした言葉には、本当に感謝していますし、大きな学びにもなっています。それにどう応えていけばいいのか、常に考えていますね。
 
松永 グローカルMAさんがユニークで、他と違うところは、「クオリティを提供する」という視点があること。例えば「エンジニアを派遣しています」「プロジェクトマネージャーを派遣しています」という会社さんは、その人たちを働かせて、どのようなクオリティのゴールを目指すかは、「クライアントの仕事だ」と思っているケースが多い。これに対してグローカルMAさんは、「クオリティを追求するのが自分達の仕事だ」と思って、そういう行動をしてくれる。こんな会社は、ほとんどないでしょう。
 
MAを導入しただけで、活用できないままでいる会社さんは多いと聞きますが、適切なパートナーを見つけられなかったのではないでしょうか。「クライアントのビジネスを良くしていこう」という考え方を持ち、その上でクライアントと対等の立場でディスカッションができるパートナーさんと組むことが、MAを活かす上で、一番、大事だと思います。

ITとビジネスの両方が分かる人財を育成していく

──今後、グローカルMAに期待することを教えて下さい。

松永 まず、会社を大きくして下さい(笑)。MAに関して、技術の話もビジネスの話もできるパートナー企業は、本当に限られています。規模を大きくして、多くの会社さんの案件に携わって欲しいのです。私は、福嶋さんがグローカルMAを起業する時に、「この先、MA領域に携わるスキルを持つ若者をしっかり育成していかなければいけない」と話していたことを、良く覚えています。その考え方は、100%共感できました。
 
未経験の人、バックグラウンドが違う人を集めて、クライアントさんにしっかり出せる人財に育てていく。そのメンバー達が、クライアントさんに対して、目の覚めるような体験を提供する。そうしたことが増えていくと、ちょっとずつでも、社会に好影響が出てくるのではないでしょうか。そういう連鎖反応を起こすことを、期待しています。

──最後に、期待にどのように応えていくか、抱負をお願いします。

福嶋  「ITはできるがビジネスは分からない」「ビジネスは分かってもITはダメ」。そういう企業の懸け橋になれる人財を育てていきたいですね。そのためには、技術スキルを身に着けるだけではなく、コミュニケ-ションスキルや、人に伝える力も磨いていく必要がある。それには、私や先輩が教えるだけではダメなので、現場を数多く経験してもらいます。
 
闇雲に規模の大きい企業を目指すというより、一人ひとりのメンバーの力を向上させていくことで、「MAの本当の力を引き出す専門家集団」として、成長していきたい。かなりの理想ですが、やる価値はあると思っています。

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