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メディア会社が投資事業?担当役員が語る事業展開の背景

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「日本とアジアの成長企業の架け橋になる――」。これは、2017年に海外投資事業を立ち上げた Ishin Global Fund(以下、IGF)の責任者、松浦道生が描くIGFのビジョンだ。 メディア企業であるイシンがなぜ「投資ファンド」というまったく異なる分野に進出をするのか。そこには、ほかの投資会社とは一線を画す、 イシンならでは思いと強みがあった。そのヒミツと今後のビジョンなどを松浦氏に聞いた。

「投資で得る」情報の希少性

まずは、IGFの事業内容を教えてください。

東南アジアやインドのファンドに投資するファンドを運営しています。特徴としては、ファンド出資でしか得られないスタートアップ情報を最大化したスキームにしました。

スタートアップファンドに出資して情報を得るという手段は昔からありました。ただ、ファンドの出資者になるには敷居が高かった。最低でも、1口1億円とか、高いファンドでしたら、最低5億円からの募集だったり、人気なファンドですと、そもそもお金があっても出資させてくれないという状況でした。

また、ファンド運営している投資家は、良いスタートアップをみつけ、投資をし、投資後の価値を上げるのがメインの仕事ですので、自ずと投資先に比べ、出資者に割く時間があまりありません。 あっても投資家本人ではなく、投資家のアシスタントが担当するのが一般的です。また、どうしても出資比率に応じての時間リソースの優先順位だったり配分になるのは、しょうがありません。ただ、この構図だと出資者が投資家から継続的な貴重なアドバイスを頂くには多額の資金が必要だったのです。

一方で出資者、特に事業会社のニーズとしては、出資という手段を通じて、自社のビジネスに活かせるような情報だったり機会を得たいというニーズがメインでした。 特に上場企業であれば、市場から調達したお金を自社の成長に活かすのがメインですから、ファイナンシャルリターンよりも、ビジネスリターン目的にファンド出資する方が多かったのです。 ただこの手法を取れる事業会社は、先程お伝えした通り、資金が潤沢にある会社に限られていました。そういった業界構造の中で、小口から出資ができ、スタートアップの情報を最大限取得するための海外ファンドがあってもいいのではないかと思って始めたのが今の IGF です。

イシンはこれまで、「メディアで勝負してきた企業」といったイメージをもっている人が多いと思います。どのような背景があって、IGF の立ち上げに至ったのですか。

私としては、IGF も発想自体はメディアのつくり方とほぼ同じです。ベンチャー通信は、「ベンチャー企業情報の集合体」だったり、経営者通信は、「経営者に役立つサービス情報の集合体」だと思います。同じように IGF は海外(東南アジア、インド)のスタートアップ情報を出資者に届けるモデルです。 手法論は多少違いますが、ステークホルダーに対して提供する価値は、近しいものがあると思っています。

IGF 立ち上げの背景としては、会社が11期目のタイミングの時に私も仕事が落ち着いたタイミングでもあり、正直、次に何をするのか目標を見いだせずにいた時がありました。 また、ファウンダーの明石もシンガポールに移住したタイミングだったこともあり、私としては、自分の次のキャリアを考えなきゃいけないのかと思っていました。

そんな時に、明石から東南アジアを一緒にみてまわろうと言われ、1年近く一緒に色々な人と会いにいきました。今、思うと、とても贅沢な時間でしたが、 俯瞰的に日本をみることが出来、かつ東南アジアの成長、スタートアップエコシステムの盛り上がりを肌で感じました。まさに、2000年の頃のビットバレーのような、ワクワクを感じたのです。私は当時、ビットバレーの渦中にはいなかったのですが、本だったり人から話を聞いていたので、今度はその中に入りたいと思い、東南アジアのスタートアップエコシステムに関わる仕事がしたいと思ったのが一番のきっかけです。

東南アジアのスタートアップや VC と話をする中でみえてきた課題は、大きくわけて2つでした。1つは、スタートアップは資金調達の担い手を常に探していること。そして、EXIT する方法が少ないとういことです。日本はスモール IPO が多いと批判されることもありますが、それでも、東証マザーズがあるおかげで、スタートアップは起業した段階から投資家に対して、IPO を目指しますと言える環境があります。投資家もスタートアップと IPO に向けて動ける目標があり、投資した資金を回収する環境がある。スタートアップオーナーも、IPO 後に、個人のお金で個人エンジェルとして、スタートアップ投資することが可能です。

一方で東南アジアは、M&A は多少増えてきてはいるものの、IPO という選択肢がなかなか現実的ではなかった。東南アジア全体でも、 IT 銘柄で IPO する企業は一桁あるかないかでした。そういう意味では、スタートアップの資金循環という意味では、課題を抱えていました。 市場環境と課題への理解が深まっていくうちに、イシンとしてお役立ちできる機会もあるのではと明石とも話してました。

これまでイシンがお世話になってきた企業で、かつ、東南アジアでビジネスを広げていきたいと考えている企業と現地のスタートアップとをお引き合わせする場が創れたら両社にとって、良いのではと思いました。かつ社会的にも、業界的にも意義のあるポジションを取れるのではと仮説を組んでました。

アジア市場の可能性

舞台に東南アジアとインドを選んだ理由を教えてください。

ふたつの理由がありました。ひとつは、アジアがアメリカやイスラエルに比べて、ベンチャーの歴史が浅くかつ、日本とも距離が近いというのがあります。 東南アジアに VC が出来始めたのは2011年位からなので、歴史でいっても、まだ7、8年位なのです。

スタートアップのクオリティにおいても、 日本の方が先行している領域も多いので、こちらもサービス理解をするのが早い。日本のサービス事例を先方も聞きたいという姿勢があるというのは大きかった。 ただ、これも2,3年前の話で、最近では逆に東南アジアの方が進んでいるというサービスも増えてきたのは事実です。

そんな環境下で IGF としては、出資者である事業会社と距離の近いサービスやシナジー高そうな企業を探してきて、 引き合わせをして、東南アジアでの事業展開の選択肢を広げることがミッションだと思っています。

出資者方も「海外に進出してゼロから事業を始める」というよりも、スタートアップにマイノリティ出資を直接しながら、市場や慣習を理解し、次の選択肢として M&A を模索するパターンが多いですね。 出資者にとって、東南アジアは「エリア拡大」といったニュアンスの方が適しているかもしれませんね。アメリカやイスラエルに比べ、 市場としての東南アジア、インドは、今後、距離も近いですし、現実的な選択肢になってくると思います。

もうひとつの理由はなんでしょうか

日本企業を取り巻く市場の変化です。日本全体は国民の減少傾向もあり、市場としては縮小傾向です。経営者の立場に立った時に海外で勝負しないと、 これ以上の成長を見込めない状況です。

また、日本の製造業が海外進出を盛んにしていた頃に比べ、IT 業界はマーケットでの戦い方のルール自体が変わっている時代です。 すなわち、プラットフォームが経済圏をつくり、その盟主がメガベンチャー化していく。良いプラットフォームはどんどん広がり、ますます大きくなっていく。 国内での戦いに終始してきた日本企業の意識は、この状況変化に追い付いていない部分があります。東南アジアのメガベンチャーといわれる企業の多くは既に、中国資本傘下になっています。

ですから、日本の経営者の関心を、日本だけでなく、東南アジア、インドにも広げていきたいのです。。これまででしたら、日本、大阪、福岡、仙台、札幌と徐々に拠点をつくり国内市場でシェアを高めていく戦略が一般的でした。ただ最近では東京、大阪の次はもう海外にいくというパターンの経営者も増えています。 もちろんビジネスモデルによって、優先順位や戦略も変わって当然ですが、アジアでビジネスをしていくというのは、将来的には、特別ではなくなってくると思います。

かつて幕末の時代に、坂本龍馬が海外から最新鋭の武器を卸して、明治維新を起こそうとした藩の手助けをしました。いまの時代で考えれば、変革を後押しする武器とは、すなわち「情報」、スタートアップの情報だと思うんです。そこは、 日本だけでなく、グローバルのスタートアップ情報にアクセスしてきたイシンの得意分野です。 私の領域でいえば、情報提供を通じて、日本企業のアジア進出における現地とのブリッジ役を果たすとともに、メディアとしてスポットライトを当てて、アジア進出の潮流や文化をつくる。そんな役割を IGF は果たしていきたいんです。

IGF をめぐる今後のビジョンを教えてください。

IGF に限らずの話ですが、IGF の出資者方に 1 年半を通じて、スタートアップ情報をお届けして、10 数社の出資実績をつくることができました。私達としては、IGF 出資者はもちろんですが、今後も、東南アジア・インドへのエリア拡大に興味ある企業をもっとお手伝いしようと思っています。 100 社位の母集団をもったチームジャパンをつくりたいです。そして、リアルな場として、今後もシンガポール、インド、日本でイベントを開催していこうと思っています。

「ベンチャー通信」が 2000 年に立ち上がった頃は、ベンチャー企業はマイノリティな存在でした。
18 年経った現在、ベンチャーに就職することも、起業することは特殊ではなくなってきた。 そういった意味では「ベンチャー通信」もやり続けてきて、業界の発展、社会の発展に貢献できているのではないかと思っています。 私としては、次のイシンの時代として、日本企業がアジアでビジネスをしていくことの心理的ハードルを下げること、成功事例を増やすことが、今後の起業家の為にもなることだと思っています。 私は業界、多くの経営者に育てられたという思いが強いので、これが私の恩返しだと思って事業に取り組んでいます。

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