変な商社ってどんな会社?
宮井:本日は「変な商社ってどんな会社?」をテーマに色々とお伺いさせていただきたいと思います!改めて、よろしくお願いいたします。
ホ ヨンジュ:よろしくー!
宮井:早速ですが、ズバリ変な商社を一言で説明するならどんな会社ですか?
ホ ヨンジュ:変化を起こす会社かな。自分たちが変化を受け入れ、モノやカタチにとらわれることなく、世の中や人々を変える。社名にある「変な」はへんてこりんの変よりも、変化の意味合いを強く持っているよ。
宮井:ありがとうございます!では、なぜ”変化”を大切にしてるんでしょうか?
ホ ヨンジュ:世の中は目まぐるしく変化していて、その中で新しく生まれるものもあれば、無くなっていくものもある。今日の非常識が明日の常識になる時代。ゆえに各企業・各業界はこの変化の潮流に乗れるかが、存続のカギとなる。
ただ、この変化に対応できていない企業・業界は非常に多い。僕たちが参入している観光業界もその1つ。未だに事業運営は書類ベースで行われて、その送受信にはFAXが使われている。さらに昨今の人手不足問題も合わさり、サービス品質の維持にも影響が出てる。
だから僕たちは観光業界や関連企業に対して、”観光商社”という立場から課題解決を行っている。例えば、業務効率化ツールの開発・提供やDX推進とか。最終的にはこの活動を通じて、観光に訪れたお客様、観光業界で働く人の全員が笑顔になるような、そんな観光業界を生み出したいと思っている。
目標の無い人生って、面白くない。
宮井:そんな変な商社ですが、そもそもどういった創業経緯があったんですか?
ホ ヨンジュ:韓国の徴兵制度で、軍事訓練を経験したことが全ての始まりかな。各訓練にはそれぞれミッションがあって、連帯責任で臨む。例えば、数十kgの装備を付けた状態の40km行軍。当然、途中で歩けなくなる人も出てくるんだけど、担いででもミッションは完遂しなくちゃいけない。
そこでの日々は達成感の連続だったわけなんだけど、改めて振り返ってみると、自分の人生にはそういった達成感を味わえるような大きな目標が無いことに気付いたんだよね。やはり、人生は1度きり。目標の無い人生って、面白くないじゃない?
宮井:たしかに、それは私も思います。ただ、それがどう創業に繋がるんですか?
ホ ヨンジュ:当時21歳だった僕は手帳に「5年以内に海外経験、10年以内に起業、20年以内にビッグビジネスで社会貢献する」という人生設計を書いたんだよね。現状、この人生設計の最中なんだけど、今のところ宣言通りに来ていて、変な商社も生まれた。
宮井:そんなストーリーがあったんですね。1つ目の人生設計として、海外経験と仰っていましたが、その後は海外放浪などをしたんですか?
ホ ヨンジュ:いや、就職することにして、海外勤務を想定した上で、海外拠点の多いHISに入社した。実際、入社4年目でタイへの転勤が決まって、3年間の海外生活を経験したかな。
宮井:なるほど、そこから起業を考え始めたのはどのタイミングなんですか?
ホ ヨンジュ:入社7年目の時。ただ、当時はまだまだ漠然とした考えのままで、具体的にどこで何の事業を起こすべきか明確にはなかった。そんな矢先、HIS創設者の澤田秀雄氏が設立した『澤田経営道場』の募集がHISグループ内に掛かって。
その募集に挙手する形で日本に移り住み、澤田経営道場で2年間ほど経営を学んで、そして10年目、変な商社の創業に至るという感じ。
宮井:本当に宣言通りだったんですね!ちなみに、どうして観光業界を選んだんですか?
ホ ヨンジュ:後で詳しく話すけど、澤田経営道場時代、長崎のハウステンボスを訪れた時、『変なホテル』に出会ったのがキッカケかな。変なホテルではホテル内の業務のほとんどをロボットが対応したり、最先端技術が使われていて、ホテルが大きく変化しているのを実感したんだよね。それと同時に「変化していくホテルには、それを支える商社が必要」だと感じたから、”観光×商社”という選択を取ったんだ。
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変化進化あふれる未来を共創する。
宮井:改めて、観光業界に対する会社としての存在意義は何でしょうか?
ホ ヨンジュ:それは、僕たちのミッション『変化進化あふれる未来を共創する。』に集約してる。
宮井:詳しく聞いてもいいですか?
ホ ヨンジュ:例えば、最近のレストランはタブレットで注文して、ロボットが配膳したりする。長崎のハウステンボスだとロボットが受付、チェックインは電子端末。ロボットが荷物を運んで、ロボットが料理、ロボットがお酒を作る。これが2024年における変化進化。
一方で観光業界の各企業の多くは、1980年代から変わっていない。仕入れは伝票にボールペンで必要数を記入して、上層部の印鑑を貰い、購買部で稟議を通す。発注書・請求書・納品書も全て実物の紙で作成・管理し、その送受信にはFAXを使っている。
これらは人海戦術が可能だった時代のやり方、いわば人員数に依存したやり方で、それが通用しない現代でも同じやり方をしている。だから、人が入っても膨大な単純作業に疲弊し、利益率も低いので還元されず、低賃金などの待遇悪化に繋がっている。ゆえに業界的にも人手不足を問題視している。
宮井:確かにこれは、観光業界に古くからある商習慣ですね。
ホ ヨンジュ:ただ、DXに成功した旅行会社は少数精鋭で、数千億円の利益を生み出している。つまり、人材不足が問題なのではなく、アナログなやり方に問題があると思っている。
私たちが開発した受発注システム『Rakuder』の普及もそうだけど、まずはこの辺の業務効率化を進めない限り、業界の根底にある悪循環は止まらないと思っているんだよね。
宮井:そうですね。実際、ホテル従業員の年齢層を見ると新卒と40〜50代のベテランに偏っているというデータがありますよね...。働き盛りの20〜30代が少ない理由は低賃金、成長環境の乏しさがまさにダイレクトに影響している部分だと思います。
観光産業は平和産業である。
宮井:そもそもなんですが、ホ社長はどうしてそこまで観光業界に熱い想いを持ってるんですか?
ホ ヨンジュ:それは観光産業をただのビジネスに留まらない「唯一の平和産業」であると思っているから。観光を通じて、その地域の文化に触れ、特産物を食べ、人々との交流が生まれる。そうして、その地域が好きになり、その国が好きになる。だからこそ、人々の平和に一番絡むのは観光産業だと思っているんだよね。
これだけ人々にとって付加価値のある産業が、アナログな労働環境であるということを理由に発展しないのは勿体ないから、僕の人生を掛けて観光業界の改革に取り組んでる。
宮井:そんな想いがあったんですね。業界の改革という意味では観光施設の業務効率化は絶対に必要ですよね。
業界の性質上、仕入先ごとに様々な業界の企業がありますけど、そういったところも業務効率化の対象に含まれるんですか?
ホ ヨンジュ:もちろん含まれる。さっきも言ったように、消耗品・アメニティ関連はまさにそうで、受発注は今までFAXなどアナログで行われていたからこそ、業務効率化のために『Rakuder』を導入を進めていたり。
今後は、より業務効率化の領域を広げていきたいと考えているよ。
一つはリネン業界。ベット等に使われて、常に交換が必要なものだけど、ホテル側の在庫状況を把握しているわけではない。ゆえに毎日訪問して在庫状況を確認しつつ、洗濯済みのリネンの納品と古いリネンの回収をしなきゃいけない。
これも各ホテルの在庫状況がリアルタイムに一元管理されているようなシステムがあれば、大幅に業務効率化が進む。これと似た事象が、観光業界にとって切り離せない存在である清掃領域や建設領域でも発生しているので、業務効率化の支援を進めているよ。
変な商社ではどんな人が働いている?
宮井:続いて、変な商社はどんな人が集まる組織だと思いますか?
ホ ヨンジュ:型にとらわれず、自由な思想で自ら考え行動する人が集まる組織だと思っている。
会社のビジョンにも『今日の非常識を明日の常識に』として掲げているけど、常識は常に覆るものだと思う。時代によって求められるものは変わっていく。これは会社も人も同じだよね。
だからこそ、変な商社では社員一人一人のアイデアを尊重し、そのアイデアを実行できる自由な環境を提供している。それによってサービスにより付加価値が生まれるし、社員のキャリア形成においても大きな実績が生まれやすい。そういった挑戦環境を求めてやってくる方が多いと思う。
裁量権のある環境を求めた。
ホ ヨンジュ:宮井さん自身も変な商社を代表する社員の1人だけど、そもそも変な商社に入社したきっかけは?
宮井:結論から言うと、裁量権のある環境を求めたからですね。
私はもともとホテルのウェディングプランナーとして働いていました。そこではお客様を喜ばせるような、ホスピタリティを重視した仕事がしたかったのですが、そうなると、企画の内容や予算が大きいものになってしまい...。
ただ、組織としてのまとまりはあったものの、個人の裁量で遂行できる業務範囲が限られてしまうことが多く、受動的な行動がメインでした。
そういった中でコロナが到来し、ホテル業界全体が大打撃を受け、私自身も月の半分以上が休日。さらに、とある老舗ホテルが廃業に追い込まれたというニュースを耳にしました。
このホテルは「親子二世代にわたって利用している」といったお客様がいるような、様々な人の思い出が詰まった場所なんですが、外部要因1つで簡単に無くなってしまう。私が働いていたホテルも40周年を迎えた老舗ホテルだったので明日は我が身じゃないですけど、いつ同じ状況になってもおかしくないと思ったんです。
とはいえ、自分のホテルのために何かやろうにも、そもそも内部からどうこう出来る組織体制ではなかったので、裁量権のある環境に身を置いて、外部からホテル業界を支えようと決意し、転職に至りました。
自由度が高いからこそ生まれる、本質的な価値提供。
ホ ヨンジュ:変な商社に入社してみて、自分のやりたかったことは出来てる?
宮井:はい、おかげさまで多くの経験や実績を残すことが出来ています!
ホ ヨンジュ:たしかに成長したよね。他社を知る宮井さんから見て、具体的にうちはどこが違う?
宮井:提案の幅広さと、そこから生まれる本質的なお客様への価値提供だと思ってます。
ホ ヨンジュ:例えばどんなこと?
宮井:それこそ、競合他社も色々なアメニティを販売していますが、カタログベースで何か要望があれば提供するというやり方ですよね。初めから決められた枠の中でしか提案ができず、自分のアイデアでどうこうすることは出来ないわけです。
それに対して、変な商社では「このホテルにこういうサービスがあったら話題になるんじゃないか」といったアイデアを自分の裁量で提案することができる。なので、他社では実現できないユニークで面白い施策が次から次へと生まれ、お客様に驚きを与えられるんだと思います。
ホ ヨンジュ:それこそ『龍宮城スパホテル三日月』さんで行った「ドリフトトライクコーナー」、『ホテルプラザ神戸』さんで行った「某有名キャラクターズルーム」などは、その代表例だよね。
宮井:そうですね。もちろんホテルさんとの信頼関係があっての話ではありますが、こういった他社では絶対に出来ないことが、弊社では制限なくできる。誰かがやったことを真似るのではなく、自分がそのスタートに立てる。こういったところは、変な商社だからこそだと思ってます!
ホ ヨンジュ:僕が自由度の高い環境に拘るのも、まさにこの社員一人一人のユニークなアイデアを潰したくないっていう理由から来てる。
僕は観光において最も重要な要素は「非日常を味わえること」にあると思っていて、型にはまったやり方ではなかなか実現できない。だからこそインパクトのある提案をすることで、お客様にとって大きな付加価値を生めると思っている。
現に「某有名キャラクターズルーム」に関しては、2025年の1月まで予約が埋まっていて、客単価も15,000円から今では50,000円に上がるほどの需要になった。これが仮に社員のアイデアを押し潰すような組織体制であったら、こういった実績には繋がっていないからね。
変な商社の目標と課題は?
宮井:変な商社の今後の目標について教えてください!
ホ ヨンジュ:目指すところは『業界No.1企業』。これを達成するための通過点として、売上500億円を当面の目標としている。
宮井:その目標を達成するにあたって、変な商社ではどんな課題がありますか?
ホ ヨンジュ:リーダーシップ人材の不足だね。うちは変化に柔軟な思想を持つ会社だから、新しいサービスや考え方が次々と生まれる。言い方を変えれば、同じことを繰り返すような安定した仕事ではないので、常に頭を使って現代に求められているものを模索し続けなければならない。
とはいえ、多くの人は既に敷かれたレールを走りたがる。決められた仕事、決められたルール、決められた報酬。うちはそういった会社ではなく、レールを自ら作りながら走る会社。当然、そこには失敗というリスクもあるけれど、だからこそ、皆を牽引できるようなリーダーが不可欠なんだよね。
もちろん、各社員をリーダー格に育て上げるための教育コストを惜しむつもりもない。ただ、どうしても挑戦意欲や成長意欲といった個人の性格面が大きく成長曲線に影響するので、採用段階から意識しなければならないとは思っているよ。
変な商社が求める人物像。
宮井:具体的にはどんな人を会社として求めていますか?
ホ ヨンジュ:変化を楽しめる人かな。
変な商社は観光業界の変革をミッションに持つ集団。当然、変化や挑戦を強いられる環境にあるからこそ、自己成長意欲は必要不可欠な要素であると思っている。それこそ1年後に自分を振り返った際に「1年でこれだけ成長した」「来年はここまで行く」みたいな野心家の方は特に相性が良いと思うんだよね。
性格やスキルで言えば、元気でコミュニケーション能力がある方。仕事柄、多方面に対してあらゆるコミュニケーションが発生するので、話す力はもちろん、悩みを本質的に捉えるための傾聴力、そこから最適な改善策に落とし込む企画力や提案力も必要になる。
このように総合的な能力が求められる仕事なので簡単ではないけど、PM(プロジェクトマネージャー)のようなスキルセットが構築される点を考えると、人材としての市場価値も高まるし、やる価値はあると思う。
あとは「観光が大好き」「会社理念に共感した」といった方も、その気持ちが仕事の原動力になるので、そういった想いがある方にもぜひ来ていただきたいですね。
逆に、宮井さんはどういった方が変な商社に向いていると思う?
宮井:やっぱり、ホスピタリティ精神を持ってる方ですかね。
いくら自由度の高い環境で幅広い提案ができるとしても、お客様と目線が同じである必要があります。例えば、人手不足にしても、そもそもなぜ人手不足が課題として挙げられているのか。その先にはお客様に迷惑を掛けてしまう、クレームが発生してしまうといった背景があるからですよね。
そこを理解しないまま提案したところで、やっぱり説得力はないじゃないですか。お客様と同じ目線で課題を捉える力、すなわちホスピタリティ精神はすごく求める要素です。
もちろん事業成長の上で「新規獲得で数字をバリバリ上げていきます」という人も必要なんですけど、それと同時にお客様をファンにできるような人材もやっぱり重要だと思っています!
ホ ヨンジュ:確かに、お客様との信頼関係を構築する上でも重要な要素だね。
とにかく、変な商社が観光業界を変革していくからには、いずれ仕事で勝負に出なければならない局面が必ず訪れる。だからこそ、人生を掛けて変化を楽しみながら率先して挑戦していただける方、そういった方を変な商社では歓迎するよ。
募集要項をご確認の上、ご応募ください。