■平木 一成(執行役員 CTO)
当時の最先端のテクノロジーを数多く導入したことです。「この技術は、次の時代の主流になる!」と思ったものを、どんどん取り入れていきました。そうしたチャレンジングなことができるのも、自社プロダクトの開発だからこそ。私は企画・設計からプログラミングまで、エンジニアリング面のほぼ全てを任せていただいたので、導入するテクノロジーについても、私の意見をほとんど採用してもらえました。
一例を挙げると、フレームワークとしてSymfonyを採用しました。当時、ほとんど使用事例がなかったのですが、ECサイトを手軽に始められるパッケージソフトとして有名な『EC-CUBE』がSymfonyベースで作られていた。「ユーザーと直接、繋がるWebサイトを構築するためのソフトである」ことや「導入した後、実現したいビジネスの違いによって各社ごとに機能を拡張していく」といった点が、私達が開発しているプロダクトと共通している。『EC-CUBE』が既に多くの導入事例を持っていることの信頼性もあり、『カスタメディアMASE』でも採用することにしたのです。
また、インフラ周りでは、AWSを導入しました。今でこそ主流になっていますが、当時はまだ出始めたばかり。でも、シェアリングのビジネスでは、多くのトラフィックが発生する。それを安定的に処理できるクラウドサービスとして、AWSは非常に有望だと考えて、採用することを決めました。
元々、「手に職を付けよう」と、高校卒業後にIT系の専門学校に進み、プログラミングを学びました。卒業後は、保険や銀行などの大手金融機関のシステムを手掛けている、少数精鋭のシステム開発会社に就職。ここで開発エンジニアとしての基礎を築けたと思います。
特に、今の自分が仕事に向き合う上で大事な指針にしていることを、この時代に学びました。それは、「新しい技術に目を配っておく必要はあるが、それだけを追い求めてはいけない。“安定して動く”ことを最優先しなければいけない」ということ。クライアントが大手金融機関だけに、「メリットの大きい新技術の存在を知っているけれど、あえてそれを使わず、実績があり、確実に稼働する技術を使う」ケースを目の当たりにすることが多かったので。
システム開発会社での仕事は充実していたのですが、家庭の事情でいったん退職せざるを得なくなって。その後、家庭の問題が落ち着いて、再就職したのがカスタメディアの前身の会社だったのです。以前の勤務先ではレガシーなメインフレームのシステムを扱うことが多かったので、再就職に当たってはWeb系のシステム開発にチャレンジしようと探した中で、出会いました。
その後、今のカスタメディアの宮﨑社長を始めとするメンバーが独立することになって。新会社に合流するか、そのまま残るか、選択肢はありましたが、迷わずカスタメディアに移ることに決めました。オープン系のWebシステム構築の需要はますます高まると思っていたので、カスタメディアに大きな可能性を感じていたことが大きかったですね。
それがそうでもなくて。最初の2年間くらいは、社内で自分の存在価値を示すことに苦労しました。優秀なエンジニアが集まった会社で、課長として4名のマネジメントも任されていました。ですから、個人の技術力を高めるだけでなく、マネジメント力も高めていく必要がありました。
当時は「大変なことになった…」という想いでしたが、今、振り返ると、そうした責任ある仕事を任せていただいたことで、開発プロジェクトを統括できるまでに成長できたのだと思います。責任のある立場で仕事するということは、勉強もするし、目標を達成しようとする気持ちも強くなりますから。
例えば、当初は他のメンバーと一緒に、役割分担しながら作業を進めていました。メインフレームばかり扱ってきた私は、Webシステムには自信がなかったから。でも、他のメンバーの担当部分の完成度が、どうもしっくりこない。それで、私自身が関わる部分を増やしていって。そうしたことを重ねていく内に、自分一人でWebシステムを構築できるだけのスキルが身に着いていきました。
責任のある立場でなかったら、Webシステムについては経験の浅い私が、他のメンバーの仕事に介入しようとは、思わなかったかもしれない。でも、責任感を持って対応したことで、飛躍的に自己成長できました。その頃には、ようやく自分の存在価値を会社に示せるようになりましたね。
エンジニアとして、未知の技術を身に着けようとする姿勢を常に持っていたいです。ただし、新しく登場した技術にただ飛び付くのではなく、プロジェクトごとに本当に必要なものだけを選択する“選球眼”は必要。その姿勢を貫いて、顧客に“最適解”を提案できるエンジニアになりたいですね。そして、これから新しくカスタメディアにジョインするエンジニアの方々にも、顧客に“最適解”を提案できるハイスキル・エンジニアへと成長していくための環境を提供していくつもりです。
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