■Yさん:(2001年入社)
*以下、所属は2019年時点
エフケイには正社員とは別に、FP社員という雇用形態がある。完全歩合制で、保険の契約の成果に応じて大きく収入を増やせる。自立自走型のスタイルで自分の腕一本でキャリアを築いていける制度だ。今回は、2009年に正社員からFP社員へ雇用形態を変えて、FP社員の制度確立に尽力してきたYさんに、自身の体験談もまじえて、FP社員制度の仕組みを解説してもらった。
「FP社員になってくれ」。10年前、エフケイ会長の深谷から直々の指示がありました。当時、私は37歳。外資系の生命保険会社から「生命保険と損害保険の両方を手がけていて、お客さまのかゆいところに手が届くサービスを提供できそうだ」という理由でエフケイに転職してきて、8年がたったところでした。
正直、晴天のへきれきでした。FP社員へ移行するということは、固定給の正社員から、完全歩合型の社員になる、ということです。FP社員は会社全体の会議がある月曜を含む、最低、週2回は会社に顔を出す。それ以外はすべて自由になる。でも、自由には責任がともないますよね。「お昼まで寝ていよう」なんて誘惑に負けてしまうと、営業する時間が減り、それは自分の食いぶちをなくすことに直結する、厳しい世界。エフケイの正社員には営業目標が設定されていますが、それをノルマとして、「なにがなんでも達成しろ」という風土ではない。お客さまのためになることをじっくり考えて、腰をすえてご提案する。私自身、そんな風土がとても気に入っていて。のんびりやらせてもらっていたのが、突然、「自分の腕1本でかせぐ立場になれ」といわれたわけですから。
しかし、よくよく会長と話してみて、真意を理解しました。もともとFP社員の制度は、「組織戦で戦ってきたエフケイだが、それだけではダメ。これからは個人個人の能力が会社の業績を左右する時代。個人が腕しだいで活躍できる環境をつくろう」ということで始まったもの。「人口減少の時代、エフケイのいまのお客さまの中心である中小企業は、後継者が見つからず、大廃業時代を迎える可能性もある。そうしたら、一気に経営がかたむきかねない。いま、業績が好調なうちに手を打たねば」。会長には、そんな強い想いがあったんです。
「FP社員になってくれ、というのは、FP社員メンバーを盛り上げてくれよ」という意味なんだ。そう理解しました。当時は5名という陣容だったFP社員の雇用スタイルや制度を固め、よりよいものにしていくのが自分の役目と思い、正社員からFP社員へ変わることを決めたんです。
それから、FP社員制度を設計する仕事に取り組みながら、私自身、いちFP社員として営業にいそしむ毎日が始まったんです。社長の杉原と議論しながら、「歩合の割合はどのくらいにするか」といったことをつめていきました。ときには議論がアツくなることもありましたよ。お互い、エフケイを愛する強い想いがありますから、「絶対、こうしたほうがいい!」ってゆずらなくて(笑)。そういう議論の結果、いちばんいいと思える歩合の割合に落ち着いています。
もともと個人事業主として保険代理業をやっていた方が、エフケイにFP社員として入社すると、「収入がいきなり2倍以上になった」という声をよく聞きます。各保険会社のコミッションが高いランクで安定していることと、提案できる商品が圧倒的に増えるため、必然的にお客様の数も増え(紹介が増える)、1人1人のお客様への成約単価が増えます。個人でやっていた方がエフケイに移る、ただそれだけで一気に収入が増えるのはこのためです。
これまで外資系などの保険会社の直販社員として1社の保険会社の商品しか取り扱うことができなかった方が、エフケイのFP社員として入社すると、2年目から収入が転職前の2~3割アップになる例が多いようです。転職の場合、以前のお客さまとの契約をエフケイにもってくるわけにはかないので、ゼロから開拓することになる。だから、はじめの1年間はきついんです。でも、エフケイでは複数の保険会社の商品をあつかえる。それも生命保険と損害保険の両方。さらに、お客さまのリスクマネジメントにかんする、保険以外の商品もあつかっている。お客さまにご提案できる幅が広がるので、転職前よりも契約がよりいただけるようになる。契約が積み上がってくる2年目以降は、大きく収入が伸びていく。そういう設計になっています。
いま保険会社の直販社員として所属していて、「エフケイのFP社員で腕だめししてみようか」と考えている方。大歓迎ですが、「生活費の1年ぶんはためておいてから、挑戦してください」とアドバイスしたいですね。
「直販社員からの転職の場合だと、はじめの1年間がきつい」という設計になっていることから、私が声をかけて始めたのが、FP社員メンバーを集めたコンプライアンスの勉強会です。契約が積み上がってくれば、ひとつのコンプライアンス違反でそれを全部、失うことになりかねないので、違反しないように非常に注意深くなる。でも、契約数が少なくて、収入がきついとき、「魔がさす」ことがあるかもしれない。だから、コンプライアンスをしっかり守る意識を徹底しよう、ということで毎週1回、任意参加で集まって、私が講師役で教えています。
「Yさんは完全歩合給のFP社員になったんだから、会社全体にかかわることを、あえてやらなくてもいいのでは?」。そんな声もあったようです。でも、FP社員といえどもエフケイの看板を背負っている。ひとりがコンプライアンス違反をすれば、みんなに迷惑をかける。だから必要なんです…って、やっぱり、会社全体を考えていますね、私(笑)。エフケイが本当に好きなんです。この企業風土をこわしたくない。
いまは私以外のFP社員メンバーの発案で、コンプライアンスだけでなく、さまざまな分野の勉強会が、自主的に立ち上がっています。みんなで学びあおう、という企業文化が生まれてきたように感じています。
FP社員には後継者を指定できる仕組みがあります。自分が働き続けられなくなったとき、お客さまへの対応を引き継ぐ役割です。もし後継者がいなかったり、指定していた人が「未熟だ」と判断された場合には、会社が引き継ぎますが、信頼できる人を指定できていたほうがお客さまにとっても、FP社員メンバーにとっても安心ですよね。だから、ひと回り下のメンバーを候補にしていたり、夫婦や親子でFP社員になっているメンバーもいる。いま、3組の親子ペアがFP社員にいるんです。親が引退したら、子どもが引き継ぐんですね。信頼できる後継者がいるから、死ぬまで働けるんです。
「腕1本でかせぐ」FP社員のあり方は、一匹狼的なものをイメージするかもしれません。でも、実態は全然違うんです。みんな和気あいあいとしていて、仲よく情報交換をひんぱんにしています。だから、自分が担当しているお客さまを引き継いでいくだけでなく、エフケイとして大切にしている企業文化も継承されていっています。
たとえば、メーカーである保険会社の方に接する態度。ほかの代理店でありがちなのが、「オレたちが売ってやっているんだ」というように、おうへいな態度をとって、「こういう資料を3日後までにそろえておけ」なんて。エフケイではそれを絶対禁止にしています。お客さまのためになる商品の改善とか、保険会社に助けてもらわなければならないことって、いっぱいある。対等なパートナーとして接することを、エフケイでは徹底しています。
最近になって若い人たちもFP社員に入社するようになってきました。ただ、保険営業はどうしても自分の同世代を相手にすることが多くなる。すると、若い世代は保険をあまり必要としていないので、契約をとるのに必死にならないと難しいですよね。でも、その必死さが、年配のFP社員たちにいい影響を与える。「自分の後継者になってもらおうかな」なんていう動きも出てきています。ぜひ、もっともっと20代・30代の人たちにチャレンジしてもらいいっしょに働きたいと思っています。
5名でスタートしたFP社員制度が、いまは100名近くになりました。今後の私の目標としては、FP社員の規程である「70歳をめどとするが、それ以降も元気であれば一生涯働いていい」を実践すること。自分が中心になって作った規程ですからね(笑)。素直でまじめな、若い人を後継者にして、人生100年時代、生涯通じてエフケイでやっていきたいですね。
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