■右:Kさん (1998年入社)
■左:Iさん (2000年入社)
*以下、所属は2019年時点
生命保険も損害保険も扱う総合保険代理店として、大手保険会社の傘下に入らず、独立系であることを貫くエフケイが、契約件数30万件、従業員数700名という規模にまで成長している。なにが企業成長の原動力なのだろうか。それを探るため、今回はまだエフケイの従業員数が十数名だった時代に入社、約20年にわたって第一線で活躍してきたベテラン組2名の対談を企画。20年間、変わらぬ理念や企業風土などについて、語りあってもらった。
Kさん まずはこの記事を読んでいる人たちのために、お互い自己紹介しましょう。私は本社営業部が3部門に分かれているうち、第3営業部の部長を務めています。Iさんとは長く同僚としてつきあっていますが、いまは職場が違うので、あまり顔をあわせないですよね。
Iさん ええ、私は現在、出向中ですからね。外資系代理店の、マーシュジャパンで、年商50億円から500億円ぐらいの中堅企業のお客さまを新規開拓する仕事に就いています。
Kさん めずらしいですよね。保険代理店にスタッフを出向させて、ひとつのプロジェクトに取り組むのは。
Iさん そうなんです。私も、ほかに同じ例を聞いたことがありません(笑)。「業界の最先端の動きに、自分が当事者として携わっている」という実感がありますね。エフケイは中小企業が主なお客さまで、マーシュ ジャパンは上場企業中心。お互い、中堅企業の層が未開拓だったので、「共同で開拓しましょう」と。ノウハウを積んで、来年にはエフケイに戻り、中堅企業向けのセクションを立ち上げる予定です。
Kさん 楽しみですね。でもキャリアのスタートは個人向けの生命保険の営業だったんですよね。
Iさん はい、大手の生命保険会社に新卒で入社しました。その後、保険の販売よりもコンサルティングに興味が出てきて。財務コンサルティングの会社に転職後、エフケイとコラボする機会があったんです。当時のエフケイは損害保険中心だったので、「生命保険のノウハウをもちこんでほしい」ということで誘われて、入社しました。結局、保険の世界に戻って来たのは“神の意思”だと、受け入れたんです(笑)。あのころは、社員番号が深谷会長の次の「2番」である先輩のKさんを含め、エフケイの従業員数は20名ぐらいでしたね。
Kさん そうそう、私、社員番号「2」なんですよ。昔は退職者が出ると、その番号を在籍者に割り振っていたから、たまたま、杉原社長の「5番」より若い番号をもらっただけなんですけどね(笑)。Iさんと違って、私は第二新卒としてエフケイに入社しました。当時は就職氷河期で苦労したけれど、従業員が十数名だったエフケイにひろってもらった、という感じでしたね。
Iさん いまや、エフケイの従業員数は300名ですもんね。約20年で、大きくなりましたね。
Kさん 同感です。でも、変わらないものもありますよね。たとえば企業理念。深谷会長の「お客さまがかゆいと言う前にかけ」という精神は、今でもみんなに受け継がれていると思います。
Iさん そうですね。そのひとつのあらわれが、「考えるよりも先に動く」という習慣。そして、知行合一。お客さまが困っていらっしゃらないか、考える前に会いに行く。「お客さまとの時間については、惜しむな」というのが経営方針で、会長も社長も自ら実践していますもんね。
Kさん トップが率先垂範しているから、私たちメンバーも理念を実践しようとする意識が高くなる。会社の経営理念にある「「私たちは、お客さまに安心と安全を提供し、お客さまおよびパートナーとの共存共栄をめざし、社会の幸せに貢献します」ということの具体的な意味は何か、みんなが考え、みんなが実行していますよね。
Iさん 私たちの仕事って、最終的には保険を販売する事ではあるけれど、お客さまが発展していくとき、そこに待ち受けているリスクを私たち専門家が研究し、マネジメントするためのサポートをすることで、会長のいう「お客さまがかゆいと言う前にかけ」というのは、そういうことだと思うんです。
新入社員につねに伝えていることは、「お客さまは神さまではありません」ということ。「だって、神さまは死んだりケガしたりすることはないでしょう。お客さまを、神さまではなく、自分の大切な家族や親友や恋人だと思ってください」と。そう思えば、相手にどういう対応をすればいいかわかるはず。そのために、例えばお客さまが会社の社長さんであれば、創業ヒストリーをお聞きするようにすすめています。どういう想いで会社を立ち上げられたのか、どんな夢があるのかを聞けば、みんなお客さまのことを好きになっていくはずだから。そして、好きな相手であれば、かゆいと言う前にかくことができるはずだから。
Kさん 本当にそうですよね。そうそう、Iさんが手がけた仕事で、お客さまのリスクマネジメントを全部、エフケイで引き受けさせていただいた会社さまがありましたよね。建築系で、年商120億円ぐらいの…。
Iさん そうですね。リスクマネジメントに関連するさまざまなサービスを、あそこまで全部、ご契約いただいたのは、はじめてでした。「お客さまがかゆいと言う前にかけ」を実践した例でしたね。本気でそのお客さまのことを考えつくしたうえで、ベストなリスクマネジメントを提案しているというプライドがありました。
ですから、あるとき、先方のご担当者だった副社長が「保険の相見積もりをする」とおっしゃったとき、私は怒ったんですよ。「それなら私は出しません。私としては最高の設計のものを、適正な価格で提供しています。保険料の高い安いで変えるなら、もういいです」と。そうしたら、副社長が「ごめん」といってくださり、相見積もりは取りやめにしてくれたんです。
Kさん それはすごい話ですね。でも、あの契約って、相見積もりのタイミングでエフケイがいちばん安かったことでスタートしたんじゃなかったでしたっけ…?
Iさんははは、そうでした(笑)。私がその会社の担当になったころは、毎年、他社で契約されていた火災保険の満期が近づくと、相見積もりをとるためだけに呼ばれていました。そして毎回、負けるんですよ。それでだんだん腹が立ってきて(笑)。「相見積もりで勝ったらエフケイと契約する」という言質を副社長から取りつけ、保険会社と交渉し価格面でとてもがんばってもらって。そのうえで相見積もりに挑んだら、エフケイがいちばんだった。その場で「やった~!」と叫んじゃいました(笑)。
そうやって火災保険からスタートして、その会社をめぐるさまざまなリスクを研究。それらをマネジメントするためのサービスをご提案していきました。それを次々に採用していただき、ご契約いただいたんです。社用車の自動車保険や建築主への賠償保険にご加入いただいただけでなく、就業規則の作成、退職金規定の整備、労災対策づくり、退職金制度の構築、さらには建築関連の資格を取得する奨学金を出す財団法人の設立まで、すべてエフケイにご依頼いただきました。会長の深谷から「よくやった」と直接褒められたことを覚えています。
Kさん いってみれば、Iさんを「保険の営業」ではなく、「リスクマネジメントのプロフェッショナル」として開眼させてくれたのが、その会社の副社長だったわけですね。でも、確か3年前に、亡くなられてしまったんでしたよね。
Iさんはい。じつは、社葬に参列させていただいたとき、お棺にお花をいれさせてもらうことができたんです。私の立場は“いち業者”なんですけど、副社長の奥様が「Iさんおいで。最後、おがんであげて」と声をかけてくださって。そして、お花を入れさせてもらえました。本当に特別な時間でした。私たちの仕事は、お客さまの最期に立ち会うこともある、特別な仕事ですよね。
Kさん エフケイがお客さまのリスクマネジメントについて、すべて引き受けられるのは、サービスラインナップが豊富だから、という面がありますよね。たくさんの保険を扱っている代理店は他にもありますが、「損害保険中心ですが、生命保険も扱っています」といった具合に、どちらかに偏りがち。その点、エフケイは、生命保険と損害保険の割合が6対4ぐらいで、本当にどちらにも精通しているんです。
Iさん そうですね。それに、私たちは保険だけでなく、税務的なこと・労務的なこと、すべてを勉強してリスクマネジメント全般についてサポートしていく。また、最近はM&Aのサポートも始めましたよね。保険代理店でそこまでカバーしているところは、エフケイぐらいだと思います。
Kさん サービスラインナップが豊富であることは、これから新たにジョインしてくれる人も含めて、メンバーの成長にも役立っていると思っています。お客さまに提供できるものはたくさんあるので、本人のやる気しだいで、お客さまの課題が解決できるサービスの組みあわせを無限に考えられるから。
それに、さっきIさんが言っていたM&Aサポートの新サービスとか、いろんなことに会社がチャレンジし続けているから、絶えず刺激をもらえる。普通、同じ会社に長く勤め続けたら若干飽きてしまいますよね。でも、エフケイはそういう退屈感が一切ない。新しいことにどんどん挑戦しているから。
Iさん 私が今、コラボして取り組んでいる中堅企業開拓も新しいチャレンジのひとつ。そしてこれは、メンバーの働き方改革にもつながると思うんです。現在エフケイのお客さまは中小企業が中心。そうすると、「エフケイの担当者とお客さまの経営者の方」というような、個人と個人のおつきあいになりがち。でも、中堅規模ともなれば「エフケイとお客さまの会社」のおつきあいになり、エフケイは組織全体で対応することになり、社員個々の能力をより活かせるようになると思います。
それに、企業と企業のおつきあいになると、女性のメンバーが出産・育児でいったん休職しても、戻ってこられる。どうしても若い女性は、お客さまから「どうせ辞めるんだろう」と思われがち。でも、自分自身の経験からいうと、30歳を超えると思われなくなるんです(笑)。なぜか「ずっと働くつもり」とみてもらえるみたいです。そのためにも、出産・育児でキャリアが終わることのない仕組みが必要だと思います。中堅企業の開拓も含めて、新しいスタンダードをつくりたい。そういう想いです。
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