INTERVIEW
靴の修理店で働いていました。店長として店舗運営にも携わったし、それなりに責任あるポジションを経験しました。一方で、仕事自体に魅力を感じることはあまりなく、就労時間も稼ぎも不安定だった。「これじゃダメだ」と思ったものの、キャリアがない自分を受け入れてくれそうな転職先が見つからず。そのなかで、未経験歓迎のタクシー業界へ入ることにしたんです。
転職サイトでタクシー業界について調べるなかで、待遇面がいちばんよかったからです。「全員が業界未経験でのスタート」という点も、魅力的でした。正直、当初はタクシー業界にいいイメージがなかった。かつて、私自身がたまたまタクシーを利用した際の、無愛想なドライバーさんの印象が強かったので。「そういうヒトたちばかりだったら…」という不安があったんですが、未経験者ばかりなら、きっと大丈夫だろう、と。
うれしかったのは、深夜にご乗車いただいたお客さまから、多額のチップをいただいたことです。金銭で感謝を伝えられることは、シンプルかつわかりやすく、うれしいですよね。苦労したのは、酔っぱらっていて意識がないお客さまのお相手です。たとえば、お乗りになったときに「〇〇交差点を右に曲がったところ」とおっしゃったまま、眠りこんでしまわれたことがあります。その時間帯は右折できない道なんですよ。あれは、大変でしたね。
60万円弱です。異業種から転職してきて1年ほどでの成績だと考えると、非常にいい数字だと思います。先輩ドライバーのアドバイス通りに活動したからこそ、達成できた売上です。それにくわえて、いままでの自分自身の経験を活かしています。靴修理店の仕事って、けっこうビジネスパーソンの動きがつかめるものなんですよ。しかも私はそれ以前、ダーツで稼いでいたので、繁華街にも詳しいもので（笑）。
お客さまに寄りそえるドライバーになりたいです。以前、目が見えないご年配の方にご乗車いただいた際。「右に曲がりますよ」「〇〇の前を通過しましたよ」とお声がけしていたら、大変喜ばれたんです。マニュアルに書いてあろうがなかろうが、ご乗車いただく人の視点に立った対応を心がけたいです。
