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【教育者×役員対談】
つくばの学校とベンチャーが連携し、世界へ羽ばたく若い世代を応援

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プロフィール

■宮﨑 淳(茗溪学園中学校・高等学校 校長)
■川﨑 純平(VeBuIn株式会社 兼 茗溪茗溪学園 校長補佐)

世界中から研究者やエンジニアが集まる研究学園都市・茨城県つくば市。2015年、インド人のエンジニアが同市に設立したITベンチャー・VeBuInは、茗溪学園中学校・高等学校とコラボレーションしながら、つくば市の若い世代が世界で活躍できる人材へと成長するのを応援している。そこで今回は、同学園の宮﨑淳校長と、VeBuInのCMO・川﨑純平の対談を企画。実はかつて“先生と生徒”の関係だったという2人に、「グローバルに活躍したい」と大志を抱く若い世代にエールを送ってもらった。

学校教育×ITベンチャー

──始めに、お二人が知り合った時のことを聞かせて下さい。

川﨑 実は、茗溪学園は私の母校で、宮﨑先生は恩師なのです。私が高校1年生で柔道部に所属していた時、宮﨑先生が赴任されて、顧問に就任されました。
 
宮崎先生は、常識に捉われることなく、自分の感覚、自分の直観を大切にして接してくれたので、私たち生徒にとって宮崎先生のお話はいつも受け入れやすいものでした。例えば、当時の時代背景で、部活中に水を飲むことは禁止されることが一般的でしたが、「夏はこまめに水分補給をしよう」など、ケガを発生させず、集中して練習できる環境を整えていただいていました。他の先生から怒られている様子を見ても、それが理不尽なものだと感じたら、「気にしなくて良い」と言っていただけました。このようなエピソードは、挙げだしたらきりがないほどです。
 
私は、部活で優秀な成績を残そうという気概を持っていなかったことが申し訳なかったのですが、筑波大学時代にトップクラスの柔道家だった、民間企業においても素晴らしいご経歴をお持ちであるにも関わらず、常にフラットに生徒に向き合っていただいていたので、大変感謝の気持ちでいっぱいでした。
 
宮﨑 高校時代の川﨑君は、勉強は優秀でしたが、校内で特別目立つ存在というわけでも無かったので、上場企業の執行役員に30歳でなったり、社長に37歳で就任したりというニュースを見ると、嬉しさ半分、驚き半分といった感じでしたね。
 
川﨑 確かに、私は昔からマイペースで生きてきましたし、キャリアで「決定的な何か」があって行動が変わったわけでもないのです。おそらく、これまでご指導いただいた皆様からの影響の蓄積なのだと思います。そういう中では、人生について考え出す初期の頃に宮崎先生にお会いしていたことには深く感謝しておりまして、いつか折をみてご挨拶に伺いたいと思っていたのです。
 
宮﨑 彼と再会したのは、地元・つくば市のITベンチャーの役員へと転身したとき。学校まで挨拶に来てくれたのです。私がちょうど校長に就任するタイミングで、学校運営の基盤を再構築したり、キャリア教育をスタートさせたいという思いがあり、副業という形で校長補佐への就任を打診しました。
 
川﨑 話の進む速さには驚きましたが、「教育」は日本の今後を考える上で非常に重要なテーマです。また、中学生や高校生、学校の先生など、しっかり納得しなければ動いてくれない人に対して仕事をするのは大変挑戦的ですね。茗溪学園のために考え、行動してきた経験は、間違いなくVeBuInでの仕事にもプラスに働きます。

つくば発のイノベーションを起こそう

──“先生と生徒”の関係から、良きビジネスパートナーの関係に発展した訳ですね。では、宮﨑先生が構想した国際教育の拡充の面では、VeBuInとのコラボによって、どのような成果がありましたか。

宮﨑 本校では、創立時から帰国子女の受入を積極的に行ってきましたが、最近では海外の高校や大学と積極的に提携し、生徒の受入・送出を行っています。インターナショナル・バカロレア(IB)コースが確立されてきたことにより、海外大学進学者数は全国2位・100名超となってきています。
 
留学先や進学先として、大切な生徒を送り出すということもあり、世界中の学校・大学には可能な限り訪問し、自分の目で見て回った上で学校同士の提携を進めています。その中で、インドには非常に興味があったのですが、行ったことがありませんでした。そこで、川崎君が採用活動のために現地へ訪問する際に、同行してきました。
 
川﨑 私も、「インドはIT人材が豊富」という認識がありながら、その背景となる教育環境を知らなかったので、一緒に訪問できた良かったです。IT関連の大学の質と量には大変驚きましたね。ベンガルールだけでも、ITの大学が1000以上も存在する。日本ではインド工科大学しか知られていないけれども、その他の大学も非常に良い環境です。
 
いくつもの大学を訪問しましたが、インドの教育は非常に熱量が高いですね。訪問した大学では、「ITのスキル教育」ではなく、様々なITの理論、数学、物理学、化学、人文学などによって基礎的な人間教育を行っていました。また、カリキュラムは「産・学・官」連携で非常に魅力的な、好奇心を刺激するものが準備されています。課外活動としても、インターンシップ、アイデアソン、ハッカソンなど、社会とつながる経験、学んだことを実践に移す機会が豊富に用意されています。さらに、大学は企業とのパイプを一生懸命つくっていて、大学できちんと成績を残すことができれば、就職先もあっせんしてもらえて、先行きも不安がない。おそらく、あの教育環境を実際に見たら、日本人の中学生・高校生でも「あそこで勉強してみたい」と感じるのではないでしょうか。
 
また、社会のつながりの中に自然に学校があるという感じで、学校が独立的に存在する日本では、参考にできる部分が多いと感じています。
 
宮﨑 訪問して、インドは既に治安の面でも不安がなく、すばらしい教育環境があることがありました。そして、高度成長の活気があり、生徒が大人になる10年後、20年後の将来を考えたときに、インドとつながることは良い機会になると考えました。
 
訪問の半年後、昨年の夏休み期間になりますが、生徒約30名でインドへ訪問するツアーを実行しました。模擬国連への参加や、現地の日本企業、ユニコーン企業へ訪問し、生徒にも良い刺激になったのではないかと思います。
 
川﨑 今の子どもたちは日本の高度成長期などは知りませんから、勢いのある国の雰囲気を感じられて、刺激になったのではないかと思います。

──学生にとっては、人生の大きな転機になるような体験だったでしょうね! では、インド×日本×ITベンチャーという背景をもつVeBuInの可能性について、宮﨑先生が感じていることをお聞かせ下さい。

宮﨑 インドに訪問したときに、「ジュガール」という言葉を知ることができました。これは、インドの若者で浸透している言葉なのですが、「限られたお金や時間を活用して最大の成果を生み出す」「柔軟な発想でピンチをチャンスに変えていく」「自分の枠を超えた発想で考え、行動する」「シンプルに考える」「直観を信じる」「自己効力感を大切に育てていく」など、アントレプレナーシップにも通じた意味をもっているようです。
 
現代の日本は、様々なものが整っているにも関わらず、「〇〇がない」と、「あるもの」より「ないもの」に着目してしまい、「得られるもの」よりも「失うもの」を心配してしまう傾向にあります。失敗を過剰評価して、新たな挑戦ができない風潮ですね。
 
インドは、日本と比べてしまえば、整っていないことだらけです。しかし、誰を見ても「不幸」には見えず、むしろ笑顔が溢れて「幸せ」に見えました。整っていない環境に対しても「ジュガール」の精神で取り組み、乗り越えようとしています。VeBuInのように、インドの文化を持つ会社が日本で事業を行うことで、社会に対しても良い影響を与えてくれるのではないかと期待しています。
 
川崎君は、せっかく転身したのだから、どんどんチャレンジしてほしいですね。
 
川﨑 ありがとうございます。茗溪学園も、私立の中学校・高校として類を見ないチャレンジをしていますね。前例がある、なしなどではなく、5年後、10年後の生徒の将来を見据えた上で、あるべき教育像を再構築している。そして、IBコースの充実に加えて、最近では新たな取り組みとしてアカデミアクラスもスタートしました。自分たちの力で将来像を描きながら、失敗を怖れず試行錯誤し、確実に前進している茗溪学園の経営からは、大きな刺激を受けています。
 
VeBuInも、せっかくインドのシステムエンジニアという貴重な仲間が既に集まっています。彼らの力を活かせば、無限の可能性があると信じて、チャレンジを続けていきたいと思います。

社会問題を解決しようとする大志を持って欲しい

──最後に「世界に通じる仕事をしたい」と考えている若手に向けて、お二人からエールをお願いします。

宮﨑 「世界で活躍する」とは、「外国に住んで働く」とか「外国語を覚えて、使いこなす」というように、ロケーションや言語スキルの問題として狭く捉えるべきではありません。これらの重要性は否定しませんが、IT/デジタル技術で補完できる部分も少なくありません。意識しなければならないのは、現代社会において、「世界はつながっている」という感覚です。また、人種、民族、宗教、言語、性別、年齢など異なる背景をもち、様々な価値観を持つ人といかにコラボレーションできるかという視点です。
 
今までの日本社会では「良い大学、良い会社、良い老後」という明確なレールが敷かれていて、それぞれのライフステージでガムシャラに取り組めば、結果社会に貢献できるし、自分も豊かになるという状況がありました。中学校・高校では受験偏差値を上げることだけ取り組めば良いという形で、明確な分担がなされていました。
 
このような考え方は、今や幻想でしかありません。
 
「30年間平均賃金が上がらない」「大企業でも倒産」といった様々な出来事によって、既に崩壊しています。また、そのような社会通念を信じた結果、「言われた通りにがんばったのに報われない」という思いを持つ人が増加することで、個人主義に陥る人も少なくありませんが、これもまた危険な道です。
 
これからの世代の人には、目先の合格、目先の出世といった「人生の椅子取りゲーム」からは脱却して、自分自身の生き方を自分で見つけ出してほしいですね。今までの固定観念を捨て去り、新しい価値観を築き上げるためには、世界に飛び込み、異なる価値観の人と一緒に行動してみることが一番の方法だと思います。人生観・世界観を広げることを優先して、スキルなどはいつでも身に着けられると思っていれば良いのではないでしょうか。
 
川﨑 若い世代は、魅力的な世界だと思ったら、どんどんチャレンジしてほしいですね。そして、チャレンジしたら失敗はつきものです。失敗が発生することは事前に織り込んで、そこから学べば良い、と前向きな発想で取り組んでほしいです。自分には知識がない、スキルがない、経験がないなどと怖れる必要はありません。それらは、誰をとっても最初はないところから始まるのです。どこの世界にも、人を取って喰う鬼なんて存在しませんし、むしろどこの国の人も根は優しい人たちばかりだから、何とかなりますよ。

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