荒井香織(今羽の森 ユニットリーダー)
◆入社年:2013年
◆趣味:フラワーアレンジメント
荒井香織が介護の世界に飛びこんだのは、40歳のころ。育児から手が離れたのを機に、「定年まで正社員として働けそうな仕事」として志望したのが、介護職だった。必要な知識はすべて入職後に学び、いまではユニットのスタッフをまとめるリーダー職として活躍。収入と気持ちの余裕を得られたことで、趣味だったフラワーアレンジメントに改めて熱中。そこで得たスキルを入居者に共有して、さらなる意欲ややりがいをもらえる──という好循環が生まれているそうだ。“第二のキャリア”をハツラツと進む、荒井の歩んだ道をレポートする。
ふだん着でお世話をする、家庭的な場所
「40歳で、人生を変えよう」。子育てが落ち着いたころ、私は一大決心をしました。少し前から「いずれは常勤として、定年まで働ける仕事をしたい」と思っていました。「これ以上、年齢を重ねてからでは仕事のおぼえも悪くなるし、40歳が最後のチャンスかな」と思ったんですね。進むべき分野として考えていたのは、介護の道でした。パートで医療事務や病院の受付をしていたことがあり、そのときに高齢者さんによく接していて。「もうちょっとお世話できたらな」と感じる機会が多かったためです。
とはいえ、当時はなんの資格もないし、老人ホーム自体、まったくの未知の世界。「まずは見学させてもらおう!」と自宅からいちばん近所にあった施設へ。そこが永寿荘の「今羽の森」だったんです。でも、募集要項を見てみると、「職員の平均年齢20代」って…。正直、やっていけるのか不安でした。それが、実際に見学してみると、私くらいの年齢の職員が活躍されていましたし、年齢に関係なく仲よく働いているのが印象的でした。
また、とにかく窓がたくさんある建物で、どこも明るくて。老人ホームにはもう少し暗いイメージをもっていたので、意外でした。「光にあふれたこの施設ならば、働いていても気持ちいいだろうな」と。もうひとつ、イメージと違っていたのは、職員さんの服装です。イメージではジャージを着ていて、いかにも「人のお世話をしています」という雰囲気なのだろう、と。でも、ここは皆さん普通の服で働いていて、一般の家と近い雰囲気を感じました。「ここなら、きっとやっていける」。その直感に従い、入職を決意したのです。
新人育成制度の充実ぶり
入職後はまず3日間の合宿研修があり、基礎知識はそこで学びました。車イス、声がけ、着脱、入浴などの介助技術に加え、おむつ体験などをさせてもらったのも印象的でしたね。長い間おむつをして車椅子に座ってるとどうなるか、身をもって体験させてもらいました。認知症の方や耳が遠い方への正しいお声がけのしかたなど、「なんとなくわかっているようで、でも仕事としてやるなら、正しい知識を知っておきたい」というようなことも、ていねいに細かく教えてもらえました。
私が新卒入社した会社には「新人教育制度」などいっさいありませんでした。医療事務や看護助手のパートでも同様で、なんとなくいわれたままに動く、という状況だったんです。きちんと教わっていないからスキルが中途半端になっていて。だからここへ来て、新人教育がものすごくしっかりしていることにおどろきました。みんなが同じ研修を1年目に受けているので、職場に共通認識があり、スキルに統一感がある。同じ場面ではみんなが同じように動く。非常に仕事がしやすいです。
資格取得支援制度がある点も、ありがたかったですね。私は仕事をしながら「介護福祉士」を取得し、「喀痰(かくたん)等吸引研修」を受けました。それぞれ5万円のお祝い金が出ることも、ちょっとしたモチベーションになっていましたね(笑)。今後も学ぶ機会があれば積極的に参加していきたいです。
ここ数年は、施設全体で「認知症」に関する学びに注力しています。先日も「認知症紐解きシート研修」があったのですが、まだまだ学ぶことが膨大にある分野だなと感じます。認知症とひとくちにいっても、その症状や特徴は人それぞれ。みなさんに同じケアがあうわけではありません。一人ひとりへの理解がないと、よいお世話はできないことを教わりました。
入職して6年経ったいまは、10名の入居者さんのお世話をするユニットのリーダーとして、6名のスタッフをマネジメントする立場になりました。若手、ベテランの方、パートスタッフとメンバーのバックグラウンドは幅広いです。入居者さんの食事・入浴・排泄の介助はもちろん、介護プランやスタッフのシフト作成、余暇活動や年間行事の委員会業務なども行っています。
「長所を伸ばしてくれる施設」です!
安定した職場で働けるようになり、収入面は当然助かっているうえに、以前に比べ、すごく気持ちが安定していると感じます。ワークライフバランスが取れると、自分の精神のバランスが取れるんだなと(笑)。余裕が出てきて、しかも夏冬どちらも1週間ずつしっかり休める環境なので、好きだったお花の教室に通い始めました。
しかも、そうして習っていたお花について、仕事のなかで活かせるチャンスまでいただいたんです。「お花が得意なら、やってみたら?」と施設長の推薦をいただき、「和(なごみ)の会」というリクリエーション活動のなかで、園芸やお花のクラスを担当するように。いまは月1回の開催。お花が好きな入居者さんたちが集ってくれています。「男性にもお花が好きな人がいるんだな」なんて発見もありました。認知症学会の記事を読んだことがきっかけで、花のチカラによって五感を刺激して症状を緩和させるという「ナイトケアフラワーセラピー」に興味をもち、神戸へ資格を取りに行ってきました。時間と気持ちの余裕があるからこそ、できていることだなと思います。
趣味や特技を生かしている職員は、私以外にもたくさんいます。字が上手い人は「書道の会」をしていたり、スポーツの特技を持っている人はスポーツのクラスを担当していたり。本当に「長所を伸ばしてくれる施設」だなと感じますね。いろいろなことをやってみたい人には、とてもいい環境ではないでしょうか。
定年まで勤められそうな職場
いろいろな趣味の会やイベントが施設内であることは、入居者さんにとっても、とてもいい刺激になっていると思いますね。永寿荘が「地域密着」を掲げている法人ということもあり、地域の方にお願いして開催いただいているイベントもあります。そのなかで、入居者さんと地域の方々がふれあうことができています。ほかの施設では、入居者さんはふだん、お部屋のなかにいる時間が長く、ボーッとTVを見るだけになりがち。でも、ここではそんなことはなく、さまざまな刺激を受けることができるのです。
スタッフの私も、いつも刺激を受けています。介護の現場には、さまざまな人がいて、入居者さんも十人十色、スタッフも一人ひとり違います。それぞれがもっている価値観が本当にさまざま。そうした人たちの話を聞き、新たな気づきを得ていくことができる。自分がいろいろなことを吸収して、スキルアップして、できるようになったことを若い世代に教えて、その人がまた下の世代に伝えて──というバトンがつながっていけば、世の中の介護がもっと向上していくかもしれません。そんな先々のことまで意識しながら取り組んでいきたいです。こうやって夢中になっているうちに、気づいたら定年を迎えているのかな、と思いますね(笑)。
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