三和油業を知る
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【TOPインタビュー/成長戦略&人財戦略】
最先端ITによる新たなサービスで、お客様のカーライフをより快適に

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プロフィール

碇武 宏章(代表取締役社長)

サービスステーション(以下、SS)に車が入って来ると、そのナンバープレートをカメラで読み取り、店舗内にいるスタッフが見つめる画面に、これまでの来店履歴などを表示。そのデータを元に、車の買い替えや車検サービス、保険サービスなどを、スタッフがお客様へ提案する──。兵庫県内の10ヶ所にSSを展開する三和油業は、「給油や洗車をする場所」というイメージが強いSSを、DXにより「快適なカーライフを支援する場所」へと進化させようとしている。今回は、同社代表の碇武宏章を取材。新たな業態の創造も含めて、三和油業の成長戦略・人財戦略について語ってもらった。

社員もバイトも自己成長できる環境を提供します

──三和油業はこの程、2030年までの企業成長の道程を示した「SANWA WAY 2030」という方針を掲げたそうですね。その詳細を聞かせて下さい。

大きく、3つのパートに分かれています。1つは、「私達は何のために働くのか」を明示した経営目的の部分。2つ目は、「私たちはどこに向かうのか」 つまり事業の戦略目標を示した部分です。3つ目は「私たちが守るべき最低限の型」 を示した部分です。
 
最初に「働く目的」を示したのは、事業戦略だけがクローズアップされてしまうと、事業の推進や売上・利益の向上といったこと、それ自体が目的化してしまう心配があるから。私達が大切にしたい価値観があって、「どのような事業をどのように展開していくにせよ、その価値観がブレることはない」ということを伝えたかったのです。そして、事業の戦略目標” ロードマップ” を示すことにより、 この先の不透明な 時代環境に対して、 我々の具体的な方向性を示しました。 「過去の延長線上に未来はない」 新たな未来を共に考動し、 創っていく” SANWAWAY2030” はそんな未来への羅針盤です。

──良く分かりました。では、三和油業の社員は、何のために働くのでしょう。

その答えは「三和油業に関わる全ての人たちが幸せになること」です。この「幸せ」というあたり前の概念に私たちは真正面から向き合いたいと思ってい
ます。この“全ての人たち”とは、「①社員もアルバイトさんも含む従業員」「②お客様」「③地域社会の方々」を含みます。
 
「①従業員」については、“成長”が幸せに繋がる。会社としても皆さんが自己成長できる環境を用意しますが、皆さん自身も成長への高い意欲を持って欲しいと思っています。
 
「②お客様」については、“笑顔”が幸せのキーポイント。お客様の立場に立った、様々なサービスを熱意を持って提案していく。その熱量は必ずお客様に伝わり、お客様は笑顔になる。結果として、私達の側にとっても、大きなやりがいに繋がり、お客様と一緒に幸せを感じることができるはずです。
 
そして、「③社会全体の人々」に向けては、“利益ある成長を通した社会貢献”を目指します。「利益を犠牲にして世の中に尽くす」でも、「利益だけをひたすら追求する」のでもなく、きちんと企業成長を果たし、利益を上げながら、事業を通して社会に貢献していくことで、地域の方々の幸せに少しでも寄り添っていければと思います。

“給油所”のDXを推進して新業態へと進化させる

──高い理想を掲げているのですね。では、その理想を実現するための事業戦略を聞かせて下さい。

大きく3つのフェーズに分けています。第1段階は、私たちの原点 「SSの商売」のあり方を今一度、見つめ直すフェーズ。現在、コロナやウクライナ戦争の影響によって、お客様のニーズは大きく変化しています。そのため、「今、お客様はSSに何が求めているのか」を冷静に見直さなければいけません。ここで得た知見が、第2段階・第3段階で活きてきます。
 
第2段階では、SSを“単なる給油所”から“トータルカーライフサポート(以下、TCS)の拠点”という新たな業態に進化させるフェーズ。具体的には、車番認証システムを活用します。これは、店舗の入口に取り付けた専用カメラで、来店した車のナンバープレートを読み取り、過去の来店履歴・車両管理データなどを店舗内のスタッフが見ている画面に表示するシステム。
 
オイル、タイヤ、車検、保険、コーティング等々カーライフ商材には必ず検査・ 点検・交換等の定期的なメンテナンスサイクルが存在します。 そのサイクルに沿って、的確なタイミングで的確な商品をビフォーアフターも含め、しっかりと提案・サポートをしていく。DX車番認証・車両管理システムを通して、お客様の最適なTCSを提案しつつ、お客様の安全安心をささえていく。 それが我々の使命となります。
だからこそ、当社のSSに来られるお客様は燃料供給拠点としてだけではなく、 安全安心拠店として利用していただけるので、より笑顔になって頂けるということになると思います。そのお客様の笑顔を支える、スタッフの自己成長が未来の業態化にもつながっていきます。
 
それに、EV化や自動運転化などのイノベーションが進行し、SSという業態の先行きが不透明になっている中で、新たな業態のあり方を示すことで、社会貢献にも繋がると考えています。

──「社員が働く目的」に沿った事業戦略でもある訳ですね。では、3つ目のフェーズを教えて下さい。

第3段階は、従来の延長線上にない、新規事業を立ち上げるフェースです。SSという業態の先行きが不透明な中、新規事業を立ち上げ、リスク分散を図ると同時に、企業成長を加速させていきます。今の段階では、新事業の中身について、まだ詳しくお話しできませんが、SSで培った店舗運営に関する知見を活かした事業を考えています。また、それだけでなく、社員が自ら新事業のアイデアを出して、その推進に携わってくれることも大歓迎です。飛躍的な自己成長に繋がる機会にもなりますから。

女性が管理職として活躍しています

──新事業であれば、これまでの経験値が通用しないので、若手にもチャンスがありますね。では、そうした事業戦略を推進するために、三和油業では、どのような人財を求めているのでしょうか。

「自ら考え、自ら行動し、自ら気づく」タイプの人です。実際、そうした方が活躍してくれています。例えば、現在、SSの店長を任せている女性社員。シングルマザーとして、育児と両立させながら、店舗のマネジメントに携わってくれています。元々、彼女はアルバイトから始め、メキメキ成長してくれたのを評価して、正社員に。その後も、熱意を持って仕事に取り組んでくれたことを評価して、店長に就任してもらいました。
 
彼女は今、自ら企画・提案した「これまでにない新しいSS創り」のプロジェクトを、推進してくれています。一昔前は“車好きの男性達が集まる場所”だったSSも、女性ドライバーが増え、今では家族連れのお客様も多くなりました。女性店長が企画したのは、そうした方々が楽しめる、居心地のいい自然な空間にするというもの。例えば、店舗の中で、地産の野菜を売ったり、キッチンカーによるイベントを開催したり、地元のアーティストの小さな個展を開催したり。現在、彼女主導で店舗のリニューアルを進めているので、次の展開が楽しみですね。

──女性も管理職として活躍できる環境がある訳ですね。では次に、人財の活躍を支えるために、碇武さんが心掛けていることを教えて下さい。

「型破り」と「形無し」を混同しないようにすることが大事だと伝えています。「型破り」とは、基礎をしっかりと身に着けた上で、自分の個性を発揮すること。これに対して「形無し」とは、基礎を会得する前に、好き勝手することを意味します。後者の場合、大抵は失敗します。新しいことへのチャレンジは歓迎しますが、チャレンジするためにも、基礎をしっかりと身に着けて欲しいですね。
 
また、私と社員との距離を感じさせないように心掛けています。常日頃から、雑談も含めて私から話掛けて、発言しやすい環境を作ろうとしています。その成果かどうか、年末に若手の社員から「寒いので、よろしければどうぞ」と缶コーヒーをご馳走になることもあります(おごってもらうことも)。中々、若手社員が社長に対して、そのようにカジュアルに接することは難しいでしょう。とても嬉しい出来事で、コーヒーがより暖かく感じられました。

──良い話ですね! 最後に、今後のビジョンを聞かせて下さい。

三和油業は2025 年に創業80年の節目を迎えます。それまでに売上高60億円を達成するのが直近の目標です。カーボンニュートラルを目指す世の中の動向を考えると、SSの新業態化と、新規事業の立ち上げは、必ず成功させなければいけない。今までとは異なる新しいビジネス基盤の確立に向けて、共に考動し、 共に未来を創っていく方に、是非、参加して欲しいですね。

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