[参加者]※左から
■ はまぐち(介護職10年目/入職9年目)
■ ふじわら(介護職2年目/入職2年目)
■ もり(介護職16年目/入職16年目)
横浜市都筑区にある「高齢者グループホーム横浜はつらつ」は、認知症の方々が明るく暮らせることを目的としたグループホームだ。隣接する保育園からの元気な子どもたちの声を聞き、近くを流れる早渕川沿いの緑や鳥を眺める。そんな立地環境が入居者にも、職員にも好評だ。今回は同施設で活躍する3名の職員が集合。「はつらつ」を選んだ理由や日々の仕事内容、職場の風土、そしてそれぞれの今後の目標まで、存分に語りあってもらった。
もり 今回は、「はつらつ」で働く介護職同士、職場の風土や働きがいについて話そう、という企画。まずはお互いに自己紹介しましょうか。私は、未経験でこの施設に入って、いまは介護職16年目。3ユニット編成の「はつらつ」のなかで、ひとつのユニットのリーダー的ポジションを務めています。入居者さんのケアをはじめ現場の仕事はみんなと同じことをやっていますが、それにくわえて、スタッフの勤務シフトや配置など、ユニット全体をみる仕事をしています。
ふじわら 私は介護職になって2年目で、ここがはじめて勤務する施設です。認知症の入居者さんのケアがおもな仕事です。
はまぐち 私も同じく、入居者さんのケアがおもな仕事です。介護職になって10年目になります。
もり それでは、次に入職の経緯を話していきましょう。みんな、転職してこの施設に来たということでは共通していますよね。
ふじわら はい。介護とは関係のない仕事をしていました。そこを辞めて、職を探していたとき、母から「介護をやってみない?」といわれたのがきっかけ。じつは、母は同じ活人会が運営する姉妹施設「高齢者グループホーム横浜ゆうゆう」で働いています。それで、とりあえず職場見学をさせてもらって。そのとき、入居者のみなさんが笑顔で、雰囲気がすごくよかったんです。所長から「未経験でも、イチからしっかり教えるから大丈夫だよ」といわれて。それで安心して入職を決めることができました。
はまぐち 私は、ずっとデスクワークや事務関係の仕事をしていました。年齢を重ねるなかで「事務職ではない違う仕事をしたいな」と。当時は21時とか22時くらいまで会社にいたり、もち帰り仕事があまりに多かったりで、心身にも限界が来ていたんだと思います。それで「いままでとは180度違う、身体を思い切り動かす仕事をしてみよう!」と思い、ヘルパー2級の資格を取得。
最初は別の施設にパートで入ったのですが、あまり雰囲気がよくない職場だったので、1年ほどで次を探すことに。いくつか検討するなかで、ここを見つけたんです。採用面接や見学の際の職員の方の対応がとてもよくて、「ここならやっていけるかな」と思えたのが決め手でした。
もり 私の場合、もともと普通のサラリーマンでした。結婚をして同居をはじめた家族が要介護状態で、妻がメインで介護をするのを手伝ったりしながら、少しずつ知識が増えていって。妻とふたりでヘルパー2級の資格を取りました。そのなかで介護の仕事があることを知り、これからとても必要になる業界だと、実体験からわかっていたので、「この道に入ってみよう」と。
当施設へ見学に来てみると、日あたりがよく、施設全体の雰囲気がとにかく明るかった。入居者さんがニコニコして活発に動いていて。見学者の私に声をかけてくれた方もいて、直感で「ここはいいな」と。また、「未経験者は非常勤から」という施設が多かったなか、ここは「常勤からOK」だったのも決め手。入職当時は男性介護士がかなり少なかったので、そのあたりをかってもらえて採用されたのかな、と思います。
もり 次に、求職者さんに向けて、この仕事のやりがいを話していきましょうか。私は“看取り”のエピソードをお話ししたいです。当施設は医療法人が運営していて、お医者さんのバックアップがある。だから、病院に入院していただく必要はほとんどなく、最期の瞬間を当施設で迎えられる方が多いんです。私たち職員が看取らせていただくことも少なくありません。
はまぐち 確かに、長く介護の仕事をしていても、看取り経験がない方もいらっしゃるようですね。私は3名の方を看取らせていただきました。そういう経験をさせていただけて光栄だな、と感じます。みなさんとても、おだやかで、きれいな顔をされていたことが、心に残っています。中断させてすいません、もりさんのエピソードを聞かせてください(笑)。
もり はい(笑)。とても元気だったのに、ある日突然、容体が急変されて、施設に来て3ヵ月で亡くなってしまった方がいました。お通夜にもうかがったのですが、急なことだったので、ご家族のみなさん、とても悲しんでおられたんです。私は施設内で撮った写真を簡単なアルバムにして持参していたので、それをお渡ししたところ、急に昔話がパーっと花咲き始めて。「おばあちゃんはお店をやっていて、よく前を通ったよね」「そうそう、こんなことよくいってくれたよね」なんてみなさんが明るく話しはじめたんです。写真を見て「最期はこの施設で、ちゃんと明るく元気に過ごしていたんだな」と思っていただけたようで。とても感謝をしてくださいました。
はまぐち 私からは入居者さんからいただいた言葉のエピソードを。この仕事に就いて最初に感動したのは、女性の入居者さんの食事介助をしていたときです。私が不慣れで、むせてしまわれることがあったのに、ある日ポツリと「ありがとう」といってくださって。ふだん、めったに話さない方だったので、感動したのをおぼえています。
あとはもうひとつ、肺気腫をわずらっていらっしゃった入居者さんにいただいた言葉も心に残っています。見ているほうがつらくなるくらい苦しまれていることもあったのですが、夜勤でお世話をしているときに「あなた、こういう仕事をやっていると、本当にいいことあるわよ」なんていってくださって。「ありがとう、がんばるね」とお話したことが心に残っています。
ふじわら 心に残る言葉をいただけること、ありますよね。いまもお世話をしている90代の女性の入居者さんのトイレにつきそっていたときに、泣きながら「あなたがいてくれてよかった、ありがとう」といってくださったんです。一時的なものかもしれませんが、そのときの感情は本物だと思えたので、すごくうれしかったです。
はまぐち 認知症ケアでは、学びが多いですよね。
もり 夜、入居者さんが寝られないで起きてくると、しみじみとお話をすることもありますよね。みなさんそれぞれにいままでの人生があって。そんな密なやりとりを、ご家族の方も含めて日々しているので、入居者さんとの関係をとても身近に感じられるスタッフは多いと思いますね。私もずっと見ていると、入居者さんが自分の家族のように思えてくる瞬間があります。
はまぐち 次は、うちの職場としての魅力を語っていきましょうか。私はそれぞれのユニットのなかの、タテヨコの連携がすごくとれている点がいいなと思っています。「この方にはこういうケアプランでやろう」ということを、かかわるすべての職員が共有しあえているので。
もり 本当にそうですね! 実際にあった例でいうと、ある職員さんの提案で、昼夜逆転した生活を送っていた入居者さんの「日中のお散歩」。夜、眠れなくなる入居者さんに対して、職員さんのアイデアで「日光に当たる時間を増やすと効果があるかもしれないから、やってみよう」と。試してみたところ、体内時計が正常に戻ってきたのか、夜に寝てくださるようになったんです。「効果がある」とわかると、「じゃあほかの入居者さんにもやってみよう」となって、散歩の時間を多くつくるようになりました。
はまぐち 一方で、職員の業務時間についていえば、「時間内に仕事が終わるように」というところは、すごく大事にしている施設ですよね。入居者さんの体調の急変があったりすれば残業しますが。以前、携わっていた事務の仕事に比べれば、断然、残業時間は少ない。残業があっても、残る理由が人の命にかかわることなので、納得してやっていますし。
もり 私も、サラリーマンだったころより断然、早く帰れています。早ければ4時半に帰れることもありますから。
ふじわら 私は未経験で入職した身として、先輩のみなさんに、真剣に、かつていねいに教えてもらったことに感謝しています。認知症の方に対する声がけの仕方、介助の仕方など。不安なことやうまくいかないことがあっても、すぐに相談に乗ってもらって、アドバイスをいただけていて。みなさんに助けてもらいながら仕事ができているな、ありがたいな、と感じています。
はまぐち なんでもいいやすい環境があるのは大きいですよね。上司が必ずいる状態をつくってくれていますし。それと、医療面で不安を抱えなくてすむのも大きいですよね。
もり 本当にそうですね。統括部長は以前看護師を経験していますし、かつ病院も隣接している。だから、心強いです。入居者さんは回復力が落ちているので、小さな傷でもそのままにしておくと、思いのほか悪化してしまうこともあるんです。なにかあっても、すぐ対応できる医療体制があることで、スタッフが安心できる大きな材料になっていると思います。
もり それじゃ最後に、これからの抱負を語っていきましょう。
ふじわら 私は介護福祉士の資格をとってスキルアップをして、もっと自信をもって入居者さんに接することができるようになるのが目標です。取得には実務経験が3年必要なので、あと1年、がんばって、そのあとすぐに取りたいなと思っています!
はまぐち 私はいままで勤めた先が最長8年だったので、ここで10年、がんばって自己記録を更新することでしょうか。もう来年ですが(笑)。あとはできれば「喀痰吸引等研修」の資格も取りたいですし、ケアマネージャーもめざしてみようかな、という気持ちもめばえています。
もり 私はユニットのみなさんと外出して楽しむ機会を、もっとつくっていきたいですね。いまはコロナで難しいのですが、以前は毎年必ず出かけていました。地元のお寺へ行って、お茶を立ててもらって、お菓子を食べて、桜を見て──。記憶がはっきりしている方はよくおぼえていてくださって、「また行きたいなぁ」なんておっしゃる。そんな思い出を共有できる場面をたくさんつくっていきたいです。
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