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【ドライバー】「運転手さんのバスにまた乗りたい」。そういっていただくことが目標です

スタッフを知るインタビュー
PROFILE

堀 篤史(ドライバー)
◆入社年:2019年
◆出身:千葉県

観光バスの事業者がひしめく東京で、少なからぬ大手バス会社のドライバーが転職しているのが東京遊覧観光バスだ。ドライバーが十数名の少人数ながら、公益社団法人日本バス協会が運営する貸切バス事業者安全性評価認定制度の最高ランク「3ツ星」を獲得。大手に引けをとらない安全性を確保している。今回は、ドライバーのひとり、堀篤史にインタビュー。大手バス会社から転職してきた彼の口から、大手に負けない東京遊覧観光バスの魅力とはなんなのか、探ってみよう。

風通しのよさを求めて大手バス会社から転職

3ヵ月前、大手バス会社から東京遊覧観光バスに転職してきました。転職の決め手は、ズバリ「大手企業ではないから」。中小規模ならではの風通しのよい環境があると思ったんです。たとえば、先輩のドライバーの方からなにか教えていただいたとして、この会社では、わからないことがあったら、「わかりません」といえます。でも、大手ですと先輩の権威は絶対。「わかりません」なんて、とてもいえない。わからないまま実務についてしまって、「なぜ教えた通りにできないんだ!」と怒られたり。結局のところ、職場のよしあしを判断するうえで大事なことって、人間関係だと思うんです。

東京遊覧観光バスでは、社長を中心にみんな一丸となって事業が回っています。前職では、社長と直接、話すなんてことはなかった。雲の上のヒトでしたから(笑)。私が大手に勤めていたのは3年弱。そのなかで感じたのは、「身動きが取りづらいな」ということでした。あらゆることが公式・非公式のルールによってしばられているので、なにか改善したくても、「こう決まっているから」としりぞけられてしまう。「上層部に提案を通そう」と思っても、時間も手間もものすごくかかる。「このままでは、ドライバーとして成長できないな」と思いました。

前職の会社は、従業員数も保有しているバスの台数も、東京遊覧観光バスにくらべたら格段に多かった。尊敬できる先輩ドライバーもたくさんいて、運転技術を教わることができた。それに、大きな組織のなかで働いたことは、いい経験だったとは思います。でも、「続けたいか」と聞かれたら、首をタテには振れませんでした。

転職してみて、おどろいたこともあります。安全の確保という面で、大手よりも進んでいるところもあるんです。たとえば、点呼をしっかりとる。業務開始時はもちろん、中間点呼も欠かさずある。「ドライバーの体調や運転時間を、会社がきちんと管理してくれているんだ」という実感があるので、仕事をするうえで安心感がありますね。前職では、点呼をスキップしてしまうことも。優秀なドライバーをそろえ、万全の運行管理体制を整備している反面、細かいことがおろそかになってしまうことが、ままあったんです。「中小企業だと、大手よりもっと安全対策が遅れているんだろうな」という先入観があったのですが、東京遊覧観光バスへ来て、それがくつがえりました。コンプライアンス面でいうと、会社の規模は関係ないと思いましたね。

お客さまに積極的に声がけしている

現在の仕事の大まかな流れをお話ししましょう。まず、出社して点呼を受け、指定された配車場所に向かいます。そこで、お客さまに乗車していただき、観光地にお連れします。観光終了後は、配車場所でお客さまに降車いただき、バスに燃料を入れて帰ってきます。事務所では、車内・外の清掃をして、日報をつけて、1日が終わります。私が東京遊覧観光バスに入社して、この3ヵ月間に携わった業務は、修学旅行や社会科見学など学生向けがメイン。でも、東京遊覧観光バスは社員旅行やホテルの送迎のシャトルバス、海外からの観光客向けのバスも引き受けているので、今後は老若男女・国籍問わず、ご乗車いただくことになるでしょうね。

仕事のなかで、いちばんうれしい瞬間。それは「今日は楽しかったよ」と、ツアーを終えてバスを降りるお客さまに、声をかけていただいたときです。路線バスであれば、日々の生活のなかのひとコマです。お客さまにとって、楽しいもなにもない。一方で、観光バスは、行き先が近場であっても遠方であっても、非日常的な時間を楽しむもの。お客さま自身が、「楽しく過ごしたい」というモチベーションでバスに乗るので、基本的には終始明るいムードです。私は、そういう雰囲気が好きで、観光バスのドライバーという職を選びました。

仕事をするうえで、私が大切にしているのは、お客さまとの交流です。一見、バスの乗務員と乗客というのは、接点がなさそうな関係ですよね。でも、ふとした瞬間に、自分から声をかけるようにしています。特別な言葉ではありません。朝だったら「おはようございます」。休憩地や観光地に到着したら、「いってらっしゃい」。戻ってきたら、「おかえりなさい」。でも、その日、そのとき、同じ空間にいる身として、お客さまにとって心地よい空間をつくり出したい――。そういった想いから、積極的に声がけをするようにしています。「私も一緒に、この観光を楽しもう」というくらいの気持ちで、業務にのぞんでいます。

ドライバーに必要な資質は「素直さ」

私自身は、一人前のドライバーといえるようになるには、まだまだだと思っています。バス運転手は、「10年たって一人前」といわれる世界ですからね。一人前になるために大事なことは、「素直であること」だと思います。技術面で上を見たらキリがないんです。ドライバーを引退するその日まで、学び続けなければいけない。そんななか、わからないことは「わかりません」、知らないことは「知りません」と認める素直さが必要になってきます。そうしないと学ぼうとしないですから。

運転技術というものは、ある程度のセンスがあればとりあえず身につきますし、働いているうちに磨きがかかっていきます。でも、人からの教えや指摘を吸収できない人だと、どこかで成長する機会が閉ざされてしまう。私自身、同僚や諸先輩方の言葉を、真摯に受けとめていきたいと、つねづね自分にいい聞かせています。

そうやって成長をしていった先の私の目標は、「また、あの運転手さんにお願いしたい」と、お客さまからご指名いただけるようなドライバーになることです。会社に勤めるいち従業員ではありますが、人と人とのかかわりのなかで成り立っている仕事です。運転技術はもちろん、運転以外での気配りを評価していただければ、改めてご指名いただくこともあり得るわけです。

そのためには、お客さまの視点に立ったサービスを提供する必要があります。道路や観光地の情報を、もっとたくさんインプットして、お客さまにお伝えするとか。そうしたことができるようになるために、知識や経験をコツコツと積んでいきたいですね。

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