ドライバーを知る
Interview

ドライバーの仕事とは
7割以上は接客業であると思うんです。

Interviewドライバーを知る
プロフィール

株式会社サントス
ドライバー リーダー
佐藤 実晴

ドライバーの仕事の領域は広い。積み込みや配送先での納品作業、そこには顧客とのコミュニケーションが必要であり、ドライバー自身がいかに信頼されるかも重要である。つまりドライバーであること以前に、人としての確かな歩みが不可欠なのである。そうした「人間力」を磨くことを重視する株式会社サントスの中で、これまで成長を続けてきた佐藤氏。そのプロセスに迫ってみた。

※『HIKOMAナビドライバー』では、イキイキと働くドライバーさん達のインタビュー記事を制作&掲載しています。この企業の雰囲気や他のドライバーさんたちの様子は、採用サイトよりご覧ください。

出社してすぐの配車業務。全ドライバーがスムーズに業務を遂行できるよう段取りを組むのも佐藤氏の仕事だ。

町田にある本社営業所で、主任として統括業務を担う佐藤氏。現在はドライバーの仕事だけでなく、配車や社員の業務の割り振りなどのマネジメント業務も行っている。サントスに入社したのが8年前。音楽事務所のスタッフとして働いていた当時、結婚を機に経済的な安定性を求めてドライバーに転身した。

転職に際しては職種にこだわりはなく、家族を養うためにもガムシャラに仕事をすることしか考えていませんでした。知り合いに紹介してもらう形でサントスに入社し、初めてドライバーとしてトラックのハンドルを握ることに。仕事はスーパーなどに食品を運ぶルート配送業務でした。

 大手スーパーにパンなどの食品を運ぶわけですが、その数が多い上に、納入する時間は非常に厳格で、遅れることはもちろん、1分でも早く着いてもダメなんですよ。でもトラックの運転自体初めてですし、最初は慣れないから時間通りになかなかいかない。最初は現場で怒られながらの毎日でした。

 自分は、半人前というのがとにかく嫌だったんです。早く一人前になりたくて、プライベートは全部捨てて、時間通りに完結できるよう必死でやり方を身に着けました。2月なのに、ユニフォームは毎日汗でビチャビチャ。それを見て、先輩たちもほっておけなかったのかもしれません。先を考えた荷物の詰め込み方から、上手な配送ルートの取り方など、親身にいろいろ教えてくれました。

そこから佐藤氏のドライバーとしての成長が始まる。ルート配送には6つのコースがあり、それを毎日ローテーションしながら回る日々。先輩のアドバイスに素直に耳を傾け、方法を試して試行錯誤しながら、自分にとって最も効果的な配送のノウハウを積み上げていった。

配送を行う中で、ポイントごとにタイムリミットを自分で設定しながら、徹底してこなせるように自分に課していきました。ルートのタイムテーブルを自ら作り、必ず守るというプレッシャーを自分にかける。納品先に着いたら、荷下ろしの時間を最初に宣言してお客様に伝え、それを絶対に守るという約束を自ら課していったのです。お客様からは時間の見当がつくことから喜ばれ、それを必ず守ることで信用も得られるようになっていきました。

 与えられた商品を、与えられた時間通りに安全に届けていく。その中で、タイムテーブルを必ず守り、配送をルーティン化して効率を高めることで、もっといろんな仕事や、お客様の満足を高めるための事柄にも力を注げるようになりました。お客様への対応や、接客の部分にも意識も傾けることができるようになっていったんです。

2人の娘からもらった手紙。「お守り」として仕事中でも肌身離さず持ち歩いている。

毎日の配送作業に余裕が生まれると、お客様の顔がいっそう見えてくるようになる。ドライバーとしての配送業務に、サービス業としての接客の意識がプラスされるようになった佐藤氏。自分に厳しいプロ意識を接客に振り向け徹底することで、顧客からいっそう確かな信頼を得られていくことになった。

僕は運送業というのは、7割以上は接客業であると思っているんです。お客様先に商品をお届けして、そこで態度が悪かったり、失礼な物腰に終始していたら、「もう来ないでくれ」と契約を打ち切られてしまうことだってあり得ます。

 荷物を落とした、誤配したというミスは、反省して次に直せばいい。でも接客の姿勢は違います。ドライバーは荷物を運ぶのが仕事です。けれど、同時に信頼も運べなければ、プロではありません。お客様にいかに信頼してもらえるか。それは接客の態度や姿勢で大きく変わってくるんですよ。

 僕はこう見えて、実はすごく人見知りなんです(笑)。普段はあまりしゃべらない。だから最初のころは、お客様の前でとにかく笑顔を欠かしませんでした。体調が悪くても、精神的に落ち込んでいても、とにかく笑顔。自分が人見知りというのがばれちゃいけない、見せちゃいけないと思って(笑)、いつも笑って向き合うように意識していましたね。

 すると次第に、お客様から新しい仕事を依頼してもらえたり、「佐藤さん、これ頼めない?」と相談してもらえるようになったんです。お客様に気に入ってもらえれば、自分の仕事はうまくいくし、もちろん会社のことも信頼してもらえるようになります。社内の立場が変わっていくにつれて、自然と接客にも留意するようになっていったように思います。

荷物を運ぶだけではない。「信頼も運べて初めてプロのドライバー」と語る佐藤氏。その信念は日常の業務に息づいている。

「班長になるまでは必死だった」と佐藤氏は振り返る。ドライバーのままでは、社内で意見しても愚痴に聞こえてしまう。「だからこそドライバーとして結果を残して、まずは班長にならないといけない」と考えたからだ。やがてその思いが実を結び、ドライバーとしての確かな成長の証を手にすることになった。

毎年、エリアの物流拠点のセンターに乗り入れるドライバーを対象に、配送のスキルを争うコンテストが行われるんです。参加するのは約100名のドライバーで、私も毎年参加対象になっていました。このコンテストは特徴的で、1日の大会などで競うのではなく、ふだんの配送時の身だしなみや挨拶、配送のスキルなどを日常業務の中で評価されていくものなのです。

 私はそのコンテストで、入社以来5年連続で3位以内に入賞。うち1回は優勝することができました。5年連続の入賞はサントスでは私だけで、そうした成績を評価してもらったのか、入社して5年で班長に昇格することができたんです。

「プロの仕事」を背中で見せる佐藤氏の周りには、自然とドライバー仲間が集まる。

モノを運ぶことに対しては、常にプロフェッショナルでなければならない。確実かつ安全に届けることが最優先であり、それがドライバーとしての使命感だと佐藤氏は言う。その中で、サントスでドライバーをするからこそつかめた仕事観があるという。

運送の仕事には、毎日1人ひとりのドラマがあります。たとえば運送業というもの自体が、僕のなかでは「川」みたいなものだと感じているんです。石が落ちれば流れが変わり、大木が倒れてくれば流れがふさがってしまう。雨が降れば増水し、水の流れは毎日違うんです。その流れを自分の目で見極めながら、丁寧に下っていく必要があるわけです。

 運送も同様で、道行く流れが前の日と同じであることは1日たりともありません。事故があれば渋滞もする、天気や道路事情も毎日違います。でもタイムテーブルは変えられない。その中で、どうすれば円滑に流れるかを常に考えていくことが必要なのです。

 だからこそ、結果だけでなくプロセスが大事です。いつもと違う「何か」にドライバーとしてどう対処するか。道を迂回するのか、タイムテーブルを変えるのか。毎日のプロセスにどう向き合うかという中身に、プロとしての仕事が凝縮されていくと思っています。

 安全に商品を時間に間に合わせる。当たり前の結果の中にも、1人ひとりの日々の懸命な過程があることを、この会社はきちんと見てくれます。ドライバー1人ひとりの成長プロセスを見ることの重要さを知ったのは、私自身の仕事観に良い影響を与えてくれたと感じるんです。ドライバーとして、また人として、確かな成長が得られる環境であることに感謝していますね。

事業所概要

|所在地
東京都多摩市関戸6-4-12 第一諏訪ビル3階

|転載元サイト
https://hikoma.jp/suntos

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