株式会社サントス
ドライバー
中島 美恵
運転席から元気に降り立ち、「おはようございます!」という明るい声が荷下ろしの現場に響き渡る。その声を聞いて、思わず顔がほころぶ荷受けの人たちは少なくないだろう。株式会社サントスの数少ない女性ドライバーの中島氏。そんな彼女に寄せられる信頼感は、たくさんの男性ドライバーに決して負けていないものだ。その小さな体から湧き出るエネルギーの源に迫ってみた。
※『HIKOMAナビドライバー』では、イキイキと働くドライバーさん達のインタビュー記事を制作&掲載しています。この企業の雰囲気や他のドライバーさんたちの様子は、採用サイトよりご覧ください。
「男性の職業だし、すごくきつい仕事なんだろうな」と、最初はドライバーという仕事を躊躇していた中島氏だったが…
私は若いときに離婚をして、実家のラーメン店を手伝いながら、2人の子どもを育ててきました。10年前に母が亡くなったのを機に、お店は閉店。そのあと、市役所でのアルバイトや生命保険の営業などの仕事をしていたのですが、やはり経済的には限界が出てきます。安定して月に20万円以上の給与があり、正社員で働ける仕事を探したのですが、何の資格も持たない40過ぎの女性が就ける仕事ってなかなかないんですね。そんな中で、条件に合致するのがドライバーだったんです。正直、男性の職業だし、すごくきつい仕事なんだろうな…という思いがあって最初は正直躊躇していたんですが、思い切って腹をくくり(笑)、面接に出かけました。
私は学生時代にバスケやテニスの部活をしていたこともあって、体力にもある程度自信があったんです。ところが、いざドライバーの仕事が始まった初日から、夜になると筋肉痛で体中が痛くて、寝返りも打てないほど。トラックに荷を積むときのカゴの上げ下げで、今まで使っていない筋肉をフルに使って、体がバリバリ音を立てている感じでした(笑)。
でもそこで、根を上げるような気持ちは全然ありませんでした。現場では、私よりもずっと年輩の60代、70代の方が苦も無く作業しておられるのを見て、「私なんか全然やってない」「もっと頑張らないとダメ」という思いのほうが強かったんです。
そして、自分の中で驚くことがありました。私は昔から睡眠障害の傾向があって、布団に入っても2時間、3時間は眠れないことがしょっちゅうだったんです。それがこの仕事を始めてから、布団に入ったらすぐに寝られるように!(笑) 生まれて初めての経験で、しかも熟睡できるから目覚めもスッキリです。それに、悩まされていた偏頭痛もほとんど無くなってビックリしたんですよ。
1カ月もしないうちに、筋肉痛などの体の痛みからも解放されて、なんだか生活がガラッと変わり、毎日が楽しくなり始めました。体がすごく喜んでくれてるような感覚なんです(笑) 力仕事も頑張って慣れれば苦でなくなります。今はホントにこの仕事が楽しいですよ。
「人と接する仕事は嫌いではない」という中島氏の強みは、持ち前のサービス精神
慣れてきて体も楽になってくると、仕事の中で「もっとできることがあるんじゃないか?」って思うようになったんですね。私は基本的に、「いつも楽しく仕事をしたい」って思っていて、自分が楽しく仕事をするには、相手にも楽しい、うれしい、助かると思ってもらわないとダメっていう考え方なんです。
納入先に商品を届けて検品をしたあと、お客様のほうでコース分けをする作業があるのですが、そこで突っ立って待っているよりは、少しお手伝いしたほうがいいかな…という気持ちでいつも手を貸したりしていたんです。するとお客様から、「中島さんが来てくれるようになって、すごく助かる」って言われて私もうれしくなって。現場の皆さんも、「中島さん、頑張ってるね~」って声をかけてくれて、余計に楽しくなって、また頑張っちゃう(笑) 自分が一生懸命やることで、周りの皆さんが心を開いてくれるので、自分も仕事をしやすくなります。そして相手にも喜んでもらえれば一番いいと思っているんです。
やっぱり、性格ですかね(笑) 人と一緒にいて、相手に嫌な思いをさせるのが昔から嫌いで。だったら、少しでも自分が何かをして、相手が「うれしい」「助かる」と思ってくれれば、それに越したことはないですから。お節介にならない程度に、やりますよ~という感じでやっちゃうんです(笑)
いつも私が食品を配送している納入先が、食品の取引先を変更することになったんです。そうなると、その取引先の配送業務を請け負っていた当社は、同ルートの配送の仕事が無くなり、納入先とのつながりも切れてしまうことになるんですね。そんなときに、納入先の担当者の方から、「中島さんがこのままやってくれるなら、配送業者はサントスさんにお願いしたいので、新しい取引先に御社のことを紹介しますよ」と言ってくださったんです。
その新たな取引先というのが食品卸の業界でも大手の会社で、結局仕事が無くなるどころか配送のルートは残り、しかも業界大手との新たな直取引につながることになったわけです。自分は特別なことは何もしていないのに、ビックリするやらうれしいやら、何だか狐につままれたような感じで…(笑) うちの社長からも「理想のドライバーさんだね」って言ってもらえて。でも本当に、私は何もしていないんですよ(笑)
「覚悟をもって来れば、女性でも頑張れる職場」と語る背中は力強く、頼もしい。
少しずつでもお客様に喜んでもらえることを積み重ねていくことで、大きな達成感となってはねかえってくる。これは、今までの仕事では得られなかった感覚なんですよ。決してこれまでの仕事を中途半端にやってきたわけではないのですが、「やっててよかった」とか、「よしっ!」って心から思える瞬間に出会えたのは、この仕事が初めてでした。
やっぱり、今の仕事が合っているということなんでしょうか(笑)。体を動かすことも好きだし、「1日頑張った感」がすごく自覚できて、達成感がある。お客様からの感謝の思いを毎日ダイレクトに感じられる仕事だからかなって思います。
たしかに力仕事もあるし、女性には最初は大変かもしれないけれど、でも続けていけばいろんなことが見えてくる仕事です。きちんとした覚悟をもって来れば、女性でも頑張れる職場ですから、きっと楽しさが見つかると思いますよ。
事業所概要
|所在地
東京都多摩市関戸6-4-12 第一諏訪ビル3階
|転載元サイト
https://hikoma.jp/suntos
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