取締役 事業開発本部 本部長
平本 洋輔
東京都庁のすぐ近く、“日本で初めて高さ200mを超えた建物”として知られる新宿住友ビルディング。三角ビルとも呼ばれるこのビルに、セキュアの本社オフィスも入居している。このビルの地下に、セキュアが開発・運営する未来型無人化店舗「SECURE AI STORE LAB(セキュア エーアイストアラボ)」がある。企業とコラボレーションをして化粧品や雑貨などを販売するこの店は、販売員がいない。入退店や決済をAIなどの最新のテクノロジーを利用して、来店客一人で完結できる未来型店舗だ。セキュアが持つ技術力が存分に発揮されたこのプロジェクトの狙いや、その裏にあるエンジニア達の活躍などについて、責任者である取締役 事業開発本部 本部長の平本洋輔に語ってもらった。
(◆コンテンツカテゴリー:エンジニア志望者向け◆)
たくさんありますが、例えばセキュアのコア技術の一つである顔認証システム。このお店を利用する方は、あらかじめユーザーサイトでクレジットカード情報などを入力。その上で来店してもらい、システムにご自身の顔を登録していただきます。そうすれば、後は全て“顔パス”。センサーに顔を向けるだけでゲートが開いて入店できますし、商品を購入する時も顔認証でOK。レジに並んで会計を待つ必要はないので、快適なショッピングを体験できると思います。
店舗運営側の視点では、商品・お客様・曜日・時間帯など、希望する項目ごとに売上データを管理や分析できる機能があります。それに加えて、お客様の店舗での導線を、AIが画像データから解析。「××歳の男性客が、〇〇商品を手に取って、4秒間眺めていたが、棚に戻してしまい、購入しなかった」といったデータが得られるので、より的確なマーケティング施策が打てます。「手に取るが買わない」というお客さんが多いのであれば、価格が高かったり購買意欲が高まらなかったということかもしれませんよね。「では、明日からキャンペーン価格にしてみよう、セット販売の促進をしてみよう、サンプル品を陳列してみよう」といったことができるようになるわけです。
特殊な商品棚を導入していて、荷重などから商品の減り方を感知しています。陳列している商品が少なくなってきたら、「在庫から補充するタイミングだ」と知らせるためのものですが、セキュリティにも役立ちます。急激に商品が少なくなると「盗難の可能性がある」と警報を発し、警備員が駆け付ける仕組みになっているのです。
また、異常な侵入や店舗に長時間滞在している事を検知してサイネージ映像を店内のカメラ映像に切り替えて警告を表示するなど、管理者への通知を行っています。
そうなれば良いと思っています。今、小売業界はコロナ対策としてお店の従業員とお客さんの接触を減らすことが求められていますよね。この店舗は無人ですから接触はゼロ。また、小売業界の慢性的な人手不足の問題への解決策としても有望かもしれません。
さらに言えば、ネット通販が発展する中で、リアル店舗はお客さんに「楽しくショッピングする体験」を与えられなければ、生き残っていけない状況にあります。「AI STORE LAB」は、お客さんの動きをデータ化して分析することで、どんな体験をしてもらうか、1人1人にあった接客体験を改善しながら設計できる。このシステムを導入してもらうことで、リアル店舗の未来像を描くことができれば、本当に嬉しいですね。
一つには、セキュアの持つ「技術を総合する力」を示すモデルケースを作りたかった、ということがあります。セキュアは、画像認識技術などでは他社に先行している部分もあり、有難いことに認知いただけているケースが増えてきました。そこからさらに、他社がなかなか真似できない、セキュアの本当の強みをPRしていきたい。「画像認識やAIといったコア技術の周辺領域」や「ハードとソフトの両面にまたがる領域」までカバーし、それらの要素技術一つひとつに最適なものを選択し、うまく全体を調整して、“お客様が求めているソリューションにまとめあげる力”。それがセキュアの強みなのです。その能力の展示場として、無人店舗は非常に有効だろうと考えたわけです。二つ目は、スピード感を持ってサービス開発を行う為には自社で店舗を運営して当社が直接使ってみてお客様と一緒にサービスをブラッシュアップしていく方が早いと考えました。
実際、お客様から「無人店舗を作ったそうですね。凄いですね」と話題にしていただき、その目的は達成できたと思います。それに加えて、テレビや雑誌、Webメディアなどで盛んに取り上げていただいたことで、セキュアの社員達が自社を改めて誇らしく思うきっかけにもなりましたね。
最終的には、これまでにない高いレベルの無人店舗を実現できたので、皆さん、達成感を強く持ってくれました。これまではオフィスへの入退室の管理といった、ゲートだけのシステムが多く、店内でのお客さんの動きを複数の機器が連動し、ずっと追跡、分析していくようなシステムの経験はほとんどなかったのですが、それに挑戦して、実現できましたから。
大きく4つあります。①主体性を持つ。②自主的に学ぶ。③学んだことをアウトプットする。④自分がどうしたいのかを明確にする。この4つです。
「主体性を持つ」というのが全てのベースで、それがないと②③④は成り立たない。主体性とは、「自分は関係ない」と思わず、何事にも自分は関係があるのだと考えて行動するという意味。例えば、セキュアのエンジニアはチームで仕事をすることが多い。その時、割り振られた自分のタスクだけこなし、他のメンバーの業務については「自分は関係ない」という態度を取る人が「主体性のない人」です。与えられたタスクをこなすだけなら、オフショアであるとか、もっと低コストでやってくれるところがある。社員のエンジニアに求めているのは、まだ誰も実現していないような新しいことにチャレンジすること。それは、全てを自分ごととして考えるからこそ、生まれる姿勢なのです。
テクノロジーは日進月歩。学ぶということを常にしていかないといけない。学ばないというのは、もう後退しているのと同じくらいまずいことだと思います。自主的に目的を持って学び続けることが、常に大事かなと思いますね。
はい。学んでも、アウトプットしない人がいますよね。これだと、ただの頭でっかちになってしまいます。知識はあるけど、行動しない。こういうタイプがチームにいると、皆の成長を阻害しかねない。学んだことも実行していくと、自分の身にもなって、周囲にも好影響を与え、結果も変わってくると思っています。
例えば、開発している中で、「これどうしますか?」と聞いてくるエンジニアがいたとしますね。「自分がどうしたいのか」がないわけです。こういう時に、「これの選択肢として、AとBを考えてみましたが、僕はAがいいと思います。なぜなら、〇〇だからです。平本さんは、どう思いますか?」だったらベスト。新しいプロダクトを開発する時も、「自分はこのプロダクトを世に送り出して、お客様にこう役に立ちたい、こういう世界観を作りたい」といった想いがないと、新しいものは生まれない。
これができると、“自分の名前”で生きられるエンジニアになれます。「セキュアの平本さんにお願いしたい」ではなくて、「平本さんに依頼したい。ええっと、今はセキュアにいるんでしたっけ?」となる。そうなれば、コロナであろうが何だろうが、やっていけます。そんな生き方がエンジニアとして理想です。
もちろん、打撃にはなります。ただ、“自分の名前”で生きられるエンジニアになれば、独立しても構わないと思っています。独立してフリーランスのエンジニアになって、その上でセキュアが手掛けているプロジェクトが面白そうだと思ったら、業務委託の形態でそのプロジェクトに携わることだって可能です。
独立を希望するメンバーがいるなら、応援します。
セキュアには、チャレンジできる環境がたくさんあります。ですから「チャレンジしたい」「成長したい」「こういうことをやってみたい」という人達にジョインして欲しいです。特に、新しいプロダクトの開発につながるようなアイデアを持っている方なら、大歓迎ですね。ぜひ、それをセキュアで実現しましょう。意欲のあるエンジニアの方々からのご応募、お待ちしています。
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