■ライフサポート 佐々木 信也(国際人材事業部 統括部長)
大東自動車グループが名古屋に設立したライフサポートは、海外エンジニアの紹介・派遣を手掛ける会社だ。今、日本では製造現場の高齢化が進み、世界をリードして来たモノづくりの技術・技能が次世代に継承されず、途絶えてしまうリスクが表面化している。ライフサポートは、グローバルに視野を広げることで、この大きな課題の解決に挑戦。最近は、ITエンジニアの領域にも事業を拡大しており、業績を大きく伸ばしている。そこで今回は、同社の国際人材事業部で統括部長を務める佐々木信也を取材。事業内容や活躍している人物像などについて語ってもらった。
全国のメーカーさんに対して、製造現場で外国人エンジニアに活躍してもらうお手伝いをするのが主な業務。当社で雇用しているベトナム人エンジニアの人材派遣と、当社のネットワークに登録していただいている韓国人、中国人、タイ人などエンジニアの人材紹介を行っています。人材派遣は、機械電気分野が主で、お客様としては金属部品の加工業の会社さんが多いでしょうか。人材紹介では、幅広い分野のメーカーさんに対して、人材不足解消のお手伝いをしています。
私は統括部長として、10名のメンバーに加えて、現場で活躍してくれているベトナム人エンジニア50名のマネジメントに携わっています。
では、自動車部品を作っている工場の事例をお話しします。その工場には、「中ぐり」「フライス削り」「穴あけ」「ねじ立て」「リーマ仕上げ」など、多種類の加工を、自動的に工具を取り換えながら連続で行える「マシニングセンタ」があるのですが、扱えるエンジニアが退職することになり、窮地に陥っていました。「マシニングセンタ」を機能させるためには、3次元のコードを入力しなければならないので、エンジニアにはソフトウェアとハードウェアの両方のスキルが不可欠。そうしたハイレベルなエンジニアは数少ないので、中々、採用できずにいました。
私達は、この現場にベトナム人エンジニアを派遣。元々、ベトナムで高度な製造技術を身に着けたエンジニアで、「マシニングセンタ」を扱った経験もある。お客様からは「これほど高度な技術力が必要なポジションに即戦力を送ってもらい、とても助かりました」と、評価いただけました。技術力に加えて、派遣したベトナム人エンジニアは、仕事を率先して取り組む真面目な人財であり、日本語の日常会話もできる。そうした点についても、お客様から高い評価をいただけましたね。
私は、大学卒業後、大手メーカーに新卒入社。営業に携わっていました。しかし、家庭を持ったことを機に、「よりワークライフバランスを図りたい」と思うように。営業経験が活かせる転職先を探す中で、人材派遣会社に転職。お客様の人材面の課題を解決する仕事に、非常にやりがいを感じていましたが、会社の業績が思わしくなくて。更なるキャリアアップのために、転職を意識するようになりました。
ちょうどその頃、縁あって、大東自動車グループ代表の加藤社長と出会って。加藤社長から「外国人エンジニアの派遣・紹介サービスを始めたいので、ぜひ参加してもらえないか」とお誘いを受けたのです。実は、前職も外国人人材の派遣・紹介事業を展開していて、興味を持っていましたが、私の担当は日本人の人材。外国人を対象にする部門を横目で見ながら、「いつかグローバルな舞台で活躍したい」と思っていたのです。だから、加藤社長からのお誘いは“渡りに舟”。それに、加藤社長の事業に対する熱い想いに感銘を受けたこともあり、ライフサポートに入社を決めました。
少数精鋭で、職人気質の会社さんのお手伝いができるのは、大きなやりがいに繋がりますね。そうした会社さんが日本のモノづくりを支えてきたのですが、若い人が入って来ないので、蓄積してきた技能が断絶する危機にさらされているケースが少なくない。先日も、職人3名で自動車部品を製造している愛知県内の会社さんに、ベトナム人エンジニアの派遣が決まりました。
その会社さんは、元々、日本人の機械設計エンジニアを募集していたのですが、中々、採用できずにいた。私達がベトナム人エンジニアをご提案した時も「言語や文化の違いがあるから、溶け込んでもらえるか不安がある」「そもそも、この会社に腰を据えて、技能を継承してもらえる人材を採用したいのだが、外国人は出稼ぎ感覚なのではないか」と。しかし、“物は試し”と、20代後半で機械設計の高いスキルを持つエンジニアに現場へ来てもらったところ、「技術力も人柄も申し分ない」と評価していただけました。もう既に「ライフサポートさんと本人さえ良ければ、正社員になっていただきたい」と言っていただけていているので、良い成功事例になりそうです。
20代を中心として若手メンバーが活躍してくれています。「国内の製造現場への外国人エンジニアの派遣・紹介」というビジネスが世の中に出始めたのは、つい最近のこと。前例やお手本がないので、若手が活躍しやすい領域なのです。ですから、「自ら新しいビジネスを切り拓いていきたい」という意欲の高い人材が活躍していますね。
常日頃から「経験が少ないからといって臆することなく、積極的に発言・提案して欲しい」とメンバーに伝えていて、実際に提案があれば、スピーディーに採用するかしないかを決めるようにしています。大きな組織だと、若手が何か改善提案を出しても、上司が「検討するよ」と言って、結局、うやむやになってしまうことが、良くあるでしょう。ライフサポートでは“風通しの良さ”を大事にしているので、例えば、先日、20代のメンバーから「SNSを使って集客してみたい」と提案があったので、即断即決で「任せるよ」と。
こうした若手の提案を積極的に受け入れる風土は、大東自動車グループ全体に根付いているのも。例えば、ライフサポートでは、三重県内の専門学校生と中小企業を結び付ける「リクルートブック」の制作をしています。企業から掲載料をいただいて、就職情報を掲載した冊子を、地元の専門学校に配布するもの。グループ内の若手社員が発案し、加藤社長が直ぐにゴーサインを出したことでスタートした事業です。
当面の目標は、ライフサポートの事業を拡大すること。最近、ハードウェアの製造現場だけでなく、ITの領域にも進出することを加藤社長に私から提案。受け入れていただき、その手始めに、M&Aによって東京のソフトウェア会社に、ライフサポートの仲間になってもらいました。その会社が請け負ったソフトウェア開発の仕事を、大東自動車グループがベトナムに立ち上げた現地法人を通じて、ベトナム人のITエンジニアにオフショアで携わってもらう計画です。
将来的には、私としては、大東自動車グループ全体のマネジメントにも携わりたい。多様な事業を繋ぎ、シナジーを生み出してグループをよる発展させていくことに貢献していけたら、嬉しいですね。
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