社長、今日も語ります
トーコの取材ノート

ITベンダー(システム会社)に丸投げは危険

〜任せっぱなしにしない「一緒に作る体制」が、システム成功の分かれ道〜
トーコの取材ノート社長、今日も語ります
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こんにちは。バックオフィスで働くトーコです
少しずつIT用語には慣れたものの、知らない単語を聞くと未だにビクッとしてしてしまいます(笑)
正直システムは「むずかしそう…」と感じてしまう場面も多いですが、これからも私の身の丈でお届けできたらと思ってます

✦ Column written by Re/CTO✦ 2025/12/19

相談内容 ◤ ITはさっぱりわからないんです ◢

今回ご相談いただいたのは、文具メーカーの社長さん


クライアント社長は、もともと証券会社で営業職をされており、5年前にヘッドハンティングで文具メーカーに転職。
営業として売上を伸ばし、先代から信頼されて社長に就任した、パワフルでかっこいい社長さんです。

そんな営業畑出身のクライアント社長が、大きな決断として取り組んだのが1年半前の基幹システムの入れ替えでした。
このプロジェクト、億単位の費用をかけたプロジェクトで会社の将来を見据えての大きな判断だったとのことでした。

システム会社(以下 ベンダー企業)も複数のベンダーから選定をして、その中の1社を選んだそうです。そのベンダー企業は、提案も面白く担当者も信用できそうに見えたため「ここなら安心だろう」と思ったそうです。

開発が始まる前、ベンダー企業からは「御社側にも責任者を1人立ててください」と依頼がありました。
しかしクライアント社長は、ITに詳しくない自分が口を出すことで迷惑をかけてはいけないと考え、結果的に" ほぼすべてをベンダー企業にお任せ "する形でプロジェクトがスタートしました。




◤ それから1年半ほど経った頃、「思ってたのと違う」大失敗が発覚 ◢


稼働してしばらくしてから、社内からこんな声が出始めました。

◆―――――――
・実際の業務フローが反映されていない
・現場の仕事の順番が、担当者の動き方と“システムの流れ”がズレている
・前より入力が増えて、仕事が大変になった気がする…
・正直使いづらくてみんな困っている
―――――――◆

丸投げをした結果、" 紙の上では正しいけど、現場では使えないシステム "が出来上がっていました。



そして、追い打ちをかけた「追加費用」の話 ーー


クライアント社長がベンダー企業に「現場業務手順に合うように修正してほしい」と相談すると「それは追加の仕様となりますので、改めてお見積りを出しますね」との回答....

「いやいや、そんな話聞いてない」と伝えても、「契約書にこのような記載がありますので…」

と言われてしまい、クライアント社長はぐうの音も出なかったそうです。
社員の業務を楽にし、売上アップに繋げたくて導入したシステムなのに結果的に

◆―――――――
・社員の仕事は増える
・現場のモチベーションは下がる
・追加費用の話も出てくる
―――――――◆

やりたかったことと真逆の状況に、社長はかなり落ち込んでいたそうです。

☆★☆☆★☆☆★
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展示会で出会った “ちょっと変わった”システム会社

このままではいけないと思ったクライアント社長は、情報収集のために展示会へ足を運びました。

ー もっとちゃんと話を聞いてくれる会社はないか?
ー 現場のことを分かったうえで提案してくれるところはないか?


と探して歩いていたところ、ちょっと異色な雰囲気を放つブースを見つけました。それが、弊社株式会社システムデバイステクノロジー(以下 SDT)でした。

最初は正直「なんか他と雰囲気ちがうな…」と半分警戒しながら話を聞いていたそうですが(笑)
社長(以下 本田)の話を聞くうちに、「ここなら前と同じ失敗はしないかもしれない」と少し光が見えたそうです。

そこで、後日あらためて打ち合わせを行い


今あるシステムをできるだけ活かしつつ、現場でちゃんと使える形に立て直す


という方向で、SDTに相談をいただくことになりました。

「全部任せたい」というクライアント社長に、本田が最初に言ったこと

最初の打ち合わせで、クライアント社長はこう話されたそうです。

ーー もうITは分からないので、本田さんに全部任せたいんです!!

これって、すごく自然な気持ちだと思います。私でもたぶん同じこと言います…(小声)
でも本田はその場できっぱり断ったそうです。

ーー そのやり方だと、前と同じ失敗になります。 “本気で関わるチーム” を社内で作ってほしいんです。

本田がお願いしたのは、シンプルですがとても大事なチーム作り。

1人目:最終判断ができるトップとしての社長
2人目:現場を一番よく知っているベテラン社員
3人目:現場全体を見ている統括(部長・課長クラス)

ーー この3人が本気で関わってくれないなら、システムだけ変えてもきっと会社は変わらないです

クライアント社長は少し考えたあと

ーー よし。それならやってみよう

と腹をくくり、社内でメンバーを選び“ 3人のコアチーム ”を結成しました。
本田の役割はあくまでサポート役。現場のことは現場が決める。システム会社はそれを形にする側
ここが、前回の「丸投げ」と大きく違ったポイントです。


❁相談したい方はお気軽にLINEからどうぞ❁

仕組みは「最小限の変更」で“最大の効果”を狙う

今回のプロジェクトでは、大掛かりな修正の提案はしませんでした。
最小限の変更で、最大限のパワーが出るようにしよう」と言う本田の想いから、この方針をとったとのことです。

◆―――――――
・画面の流れを、現場の実際の動きに合わせて整理し直す
・入力の順番や項目を“ 現場の頭の中と同じ順番 ”に揃える
・余計な入力を減らし、現場が“つい使いたくなる”状態に近づける
―――――――◆

これらを3人のコアチームと何度も話し合いながら進めていきました。
本田は振り返って

ーー 今回は、自分は口は出したけど手は出してないんよ。3人が本気で考えてくれたから、変えることができたんだよ

少し誇らしげに笑っていました。
(みなさんお気づきかもしれませんが、彼ちょいちょ名セリフ残すんです...(゚Д゚)ノノ)



◤「丸投げ」から「一緒に作る」へ。変わったのはシステムだけじゃなかった◢

このプロジェクトで大きく変わったのは、システムだけではありませんでした。

▼△▼△▼△▼△▼
・現場のベテラン社員が、自分の仕事を言葉にして説明するようになった
・統括の方が、全体の流れを俯瞰して見るようになった
・社長自身も、ITのことを“人任せにしない”スタンスに変わってきた
▼△▼△▼△▼△▼

システムはあくまで道具ですが、「どう関わるか」で、チーム全体の意識まで変わるんだなぁ……と、トーコは横で話を聞きながらしみじみ感じました(つ﹏<。)

❁今日のまとめ❁



システムは“ 任せる ”ものじゃなく “ 一緒に作る ”もの


このお話を聞いて、改めて思いました。

仕様書がきれいでも、現場の声が入っていないシステムは使われない
ベンダー企業に任せきりすると知識も主導権も外に出ていってしまう
小さくてもいいから社内に「本気で関わるチーム」を作ることが大事

もし今「うちもけっこうベンダー企業へ丸投げかもしれない…」と感じている方がいたら、まずは社内で“ 一緒に考えるコアメンバー” を決めるところから始めてみたらいいと思います。

今回の開発を通して、同じ熱量と想いがあれば必ず変えることができることをクラアイント社長より教えてもらった気がします。


/// 同じように悩む方の少しでも何かのヒントになれば.... ///
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