社長、今日も語ります
トーコの取材ノート

システム開発はコードじゃなく、“現場の言葉”から始まる

〜 とある建設会社と一緒に挑戦している、現場ICT化のお話 〜
トーコの取材ノート社長、今日も語ります
PROFILE

こんにちは。今日も元気なトーコです☆彡・
私ごとですが実は今年2回ぎっくり腰になっていて、3回目に近々なりそうな予感をしております。
みなさんも体調にはくれぐれもお気をつけてくださいませ。

✦ Column written by Re/CTO✦ 2025/12/5

ちょっと余談を.....

J-all(エンジニアの事業部)のお仕事って、ちょっと変わっているかもしれません。
この前社長(以下 本田)に聞いてびっくりしたのですが、なんと 約85%が「ご紹介」 でいただく案件なんだそうです!
ありがたいことに、「本当は自社だけで御社を独占したいけど、知り合いも困ってるし....」と弊社にてシステムやアプリ開発、ホームページ作成などを行って頂いた企業様からご縁を頂いております。(本当に感謝)

そう、そして今回お話に登場する企業様も実は紹介から始まった案件なのです....

以前のクライアント企業様の役員さんが独立され、今の建設会社さんの顧問として「一度相談に乗ってあげてほしい」とつないでくださったのが、このプロジェクトのスタートでした。

相談内容 ◤ 現場で本当に使えるICT化を進めたい ◢

今回ご相談いただいたのは、建設会社の2代目社長さん


初めてお会いしたときの第一印象は、「絶対仕事できるやろ……!」でした。
がっちりした体つきで、明らかに鍛えていそう。話すテンポも速くてキレがあり、会議室にいるより、ヘルメットをかぶって現場で指示を出している姿のほうが似合うタイプです。
とてもアグレッシブで“ 現場主義 ” が体からにじみ出ている社長さんでした。

☆★☆☆★☆☆★
その顧客データ、正しく活かせてる?
過去のコラム
社長ブログ
AI・IoT事業部
☆★☆☆★☆☆★

そんなクライアント社長は、建設現場のICT化(デジタル化)を検討されていました。
ここ数年、建設現場の世界では

・人手不足
・現場の高齢化
・作業の正確性へのニーズの高まり
・行政からの「省人化・効率化」の要請

といった背景もあり、「感覚ではなく、きちんとデータで説明できる工事にしましょう」という流れが一気に加速しているそうです。
たとえば、建設業務ひとつをとっても

◆───--
・作業の進捗はどこまで進んだのか
・その日の排出物の量はどの程度か
--───◆

といったことなども今までの“ なんとなく” の感覚ではなく記録と数値で残していくことが求められるようになったそうです。そしてその一環として

◆───--
・現場の様子を上から計測する
・機械や作業の位置情報をデジタルで記録する
・そのデータをもとに、工事完了後の報告用帳票を自動で作成する
--───◆

といった取り組みが業界では増えているそうです。
今回J-allが関わったのも、まさにこうした『 建設現場をデジタルで“見える化”していく 』プロジェクトのひとつでした。


☑︎ 既存システムは「あるのに、使われていない」


本田から話を聞いて、私でも「なるほど」と感じたポイントがありました。
実は、建設現場向けのシステムや、建設作業用機器に付属している機能自体は すでに色々と存在している のだそう。ただ現実には、以下のようなケースが多いとのことでした。

・特定メーカーの機械でしか動かない
・画面がわかりづらく、現場ではほとんど触られていない
・データは取れているのに “ 使いにくい ”

つまり、『システム自体は“ある”けれど、本当の意味では活かされていない』という、もったいない状態になっているのです。そこで今回のプロジェクトでは

◆◇―――――――
・特定メーカーに縛られない
・現場の人が“迷わず使える”
・取ったデータが、そのまま報告や改善に役立つ
―――――――◇◆

そんな 汎用的な(現場)目線の仕組み を作れないか?という話からスタートしたそうです。

本田がまずやったのは「現場の言葉」を覚えること

ここからは、いつもの “トーコの社長インタビュー” タイムです!
本日も本田のデスクに押しかけ「本田さん!建設業って、ITとは全然違う世界ですよね?最初はどこから入っていかれたんですか?」と質問。

社長は少し笑いながら、こう教えてくれました。

ー まず現場に行ったよ。それと、入門書と漫画をひたすら読んだかな(笑)

実際に建設の現場に立ち会わせてもらい

◆───--
・どういう順番で作業 / 業務が進むのか
・どんな機械がどんな役割を持っているのか
・どこに危険があって、どこに特に気をつけているのか
--───◆

などを、現場の方たちから教えてもらったそうです。
同時に、建設作業の入門書など“漫画で学ぶ建設の世界” のようなライトな本もかなり読み込んだとのこと。

ー ITの世界と建設の世界では、“当たり前に使っている言葉“が全然違う。まずその差を埋めへんかったら、まともな会話にならん。相手の土俵をしっかりと理解することが重要なんよ。

この「まず相手の言葉を覚えにいく」という姿勢は、バックオフィスで働く私から見てもとても印象に残りました。

次に本田がこだわったのが、画面のつくり(以下 UI) です。
オシャレさより「押しやすさ」。現場のためのUIデザインを考える。ただし、それはいわゆる「スタイリッシュなシステム画面」とは真逆の方向でした。

◆―――――――
・とにかくボタンを大きくする
・文字やアイコンはシンプルで直感的にわかる
・余計なメニューは出さない
・手袋をしたままでも押せること
・「今どの状態かわからない」を極力なくす
―――――――◆

建設現場では、ヘルメット・安全靴・作業服に加え、雨や砂ぼこりの中で画面を触ることもあります。
本田はこう言い切ります。

ー 現場で使われへんUIは、どれだけカッコよくても“ないのと一緒”やねん

//// 相変わらず名言出すやん(笑)////
でも、この一言に“現場で使ってもらうこと” がどれだけ大事か、すごく表れているなと感じました。

そして、もうひとつ印象的だったのが、試作の考え方 です。本田いわく

ー 最初の試作は、正直“壊れてもしゃあない”でいいと思ってる

もちろん、最終的には耐久性も大切です。ただ、最初から「絶対壊れないものを」と守りに入ってしまうと

◆―――――――
現場で実際に使ってもらえないまま、機能だけが増えていき.....
結果として“机上のシステム”になってしまう
―――――――◆

というリスクが高くなるのだそうです。だからこそ

1. まずは必要最低限の機能で試作する
2. クライアント社長や現場の方々に、実際の工事の中で触ってもらう
3. そこで出てきた《ここにボタンがほしい》《この表示だと間違えそう》といった声を一つずつ反映していく

というサイクルを、何度も何度も繰り返したとのことでした。現場で鍛えられたシステムは、必ず強くなるその思いで開発を行っていったそうです。

この建設現場のICT化の話を聞いて、ITが得意ではない私でもすごく腑に落ちたことがあります。

ー システムって、技術だけでできているわけじゃない。“現場への敬意”とセットになって、初めて価値が出るんだよ

この言葉の裏にある、日々本田が行っていた『まったく違う業界の言葉を一から覚えること』『実際に現場へ足を運び、空気を感じること』このどれもが、プログラムの話というよりも“人と現場にどう向き合うか” の話 なんですよね☺︎


❁相談したい方はお気軽にLINEからどうぞ❁

❁今日のまとめ❁



システムは、オフィスの中だけで完結させるものじゃない。使われる現場と一緒に育てていくもの


建設現場のICT化と聞くと、なんだか遠くて専門的な世界のように感じるかもしれません。
でも、その裏側を少しのぞいてみると

・現場に通い続けて
・わからない言葉を一つひとつ聞き
・実際に試しては直しをくりかえし
・そしてまた現場に持っていく

とても人間くさいプロセスの積み重ねでした。
私もバックオフィスの端っこから、こうした“現場のストーリー”を、これからも丁寧に言葉にして届けていけたらいいな...
そんなことを感じた今回のインタビューでした。


/// 同じように悩む方の少しでも何かのヒントになれば.... ///
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