春見 佳佑(執行役員 兼 メディアPR事業部 事業部長)
◆入社年:2015年 / 新卒
◆出身:岐阜県 / 龍谷大学
◆趣味:読書・野球
※所属部署・部署名・肩書・仕事内容などは取材当時のものです。
イシンの創業事業である『ベンチャー通信』の発行を担うベンチャー事業部(現:メディアPR事業)。その事業部長に2017年、25歳の最年少で就任したのが、春見佳佑。高校時代から経営者を志し、大学時代には起業まで経験したという彼は、入社後、早くから頭角を現し、入社わずか2年めで責任あるリーダーのポストに抜擢された。そんな彼が、リーダーとして味わった挫折と気づきとは…。
イシンの創業事業である『ベンチャー通信』をはじめ、『経営者通信』などのメディア事業を統括しています。おもに、3年先のビジョンから事業戦略や組織戦略を描いたうえで、それを計画に落とし込み、売上と利益を最大化させるのが、私の仕事です。
仕事のやりがいですか?つねに感じていますよ。裁量が大きいんですよね。とにかく、任される。
一つひとつの判断で、自分の「意志」を問われるところがある。創業時から続く歴史のあるメディアを扱っている責任もありますし。その事業を今後、どう伸ばしていくのか。 それだけじゃなく、現場のメンバーをしっかりと育て、組織をつくることも私のミッションです。「人を多く採用して、商品をただ売る」といった単純な仕事ではなく、営業一人ひとりに訪問先の経営戦略までグッと入り込んだ「企画提案力」が求められる仕事ですから。事業家としてのセンスが求められる仕事だと思っています。そんな難度の高い仕事ですから、目標をクリアした時の達成感はひときわ大きいですね。
私が、数ある企業のなかからファーストキャリアにイシンを選んだのは、まさに「自分で事業をつくるチカラ」が一番つきそうだと思ったからです。そんな志向をもつようになったきっかけは、学生時代のビジネス経験にあります。
高校の頃に志しはじめた経営者の道を、一刻も早く歩みたいと願っていた大学時代、私は学業の傍らで、すでにインターネット回線の訪問販売に携わっていました。その会社は、学生によって運営されており、営業力がつけられそうな環境だったため強い興味をもちました。私はその組織のなかでも順調に役職を上げ、部下をもつように。最終的に、その事業の地方展開という形で、新しい会社を立ち上げる経験もさせてもらったんです。しかし、結局は、朝から晩までインターホンを押し続け、訪問販売をする毎日。いつしか、同じ毎日の繰り返しに疑問を感じるようにもなっていました。それ以来、「将来はやりがいのある事業を自分でつくれるようなチカラをつけたい」と思うようになったのです。また、当時働いていた会社の経営者の考えに強く感銘を受けた経験がありました。イシンでは、「毎日さまざまな経営者に会い、一緒に仕事をできる」と聞いていたので、ワクワクして入社しました。
実際、イシンに入って驚いたのは、入社前の期待との間にギャップがまったくなかったことです(笑)。本当に、入社1年目から経営者に営業ができるんですから。むしろ、期待以上の「歯ごたえ」のある仕事でしたね。
学生時代の訪問販売は、行動量が成果に結びつきやすい仕事でした。訪問相手が利用しているプランよりもこちらが提案するプランの料金が安ければ、相手にかならずメリットがあるので、信頼さええられれば切り替えてもらいやすい。しかし、イシンの営業は、単にたくさん訪問をしたから受注率が上がるという仕事ではありません。まず、「営業のチカラ」が問われるのです。丁寧なヒアリングでお客さまが抱えている課題をより深く把握、分析したうえで、どのような記事をつくれば、課題解決に貢献できるかを考えなければならないのです。記事構成から、登場人物、訴求するメッセージの 内容など商品を緻密に、オーダーメイドで設計するのです。大学時代の経験から、営業力には自信があった私ですが、最初のうちは、なかなか結果が出ませんでしたね。
たとえば、私の1年目の売り上げは、1,200万円くらいでしたが、2年目の先輩たちは軒並み私の2倍以上の売り上げ成果を軽々と出している。チカラの違いを数字で見せつけられる日々でした。営業訪問をしても、同行した先輩が応対すると、相手の社長との会話も盛り上がるんですが、私ひとりだとそうはならない。業界知識や企業分析、コミュニケーション...、あらゆる面で自分は「浅い」と思い知らされました。
入社1年目は、歴代の社員のなかでも「いちばんの成果を残したい」という想いがあったので、業務中以外の時間も仕事について思考を回していました。今週の自分の行動を洗い出して、どうやったらアポや受注につながるようになるか分析しましたし、ビジネス書も多く読みました。
そんな努力が実ったのか、1年目は「新人MVP」をいただき、2年目では事業部内のリーダーとして同期で唯一、部下をもたせてもらうまでになりました。
私がはじめてもった部下は、その年度に新卒で入社した社員でした。逆に、私は彼にとってのはじめての上司になりますね。
彼は、頭がとてもキレ、コミュニケーション能力も高い優秀な人物でした。将来は起業したいという、しっかりとしたキャリアビジョンももっていて。私は、そんな優秀な彼に安心して、彼がアポイントメントや売上を伸ばすためのアドバイスをしたり、モチベーションを上げるためのマネジメントを続けていました。彼は私の期待通り業績を伸ばし、同期社員のなかでももっとも多く売上を立てるようになっていきました。
それから彼が入社から約1年が経ったある日、彼は会社を辞めるという決断を私に伝えてきたのです。理由は、「起業する」という夢を追うためでした。
そして退職の手続きが進み、いざ彼が会社を離れるといったタイミングで、私は彼と、私自らの上司と、3人で飲みに行くことになりました。彼はその場で、今後歩もうと考えるキャリアについて、熱く語っていました。
しかし私は正直なところ、自信をもって彼の決断を応援することができないでいました。というのも、これまで彼には、ビジネスパーソンや社会人として、どうも引っかかるところを感じていたからです。たとえば、お客さまに送るメールに誤字脱字が多かったり、社内の課題である読書記録に、書評サイトからのコピペを使ったり。でも、私はそんな彼の問題点からずっと目をそらしていました。彼が優秀であることは営業の実績をみても明らかでしたし、私よりも1歳年上で、遠慮していたところもあったのでしょう。モヤモヤと感じながらも、1年間、「なんでも相談できる優しい先輩」として、彼のマネジメントを行ってきたのです。
ところが、そんな彼がいよいよ退職するというタイミングになって、私はようやく大きな後悔を感じたのです。いまの状態で会社を辞めて、彼は本当に成功するのだろうか。私のマネジメントがうまくできていなかったことで、彼の人生も変えてしまったのではないか。
そんなことを考えながら、将来について熱く語る彼をみていて、私はふいに泣き出してしまいました。私はまる一年間も彼の上司でありながら、社会人として至らない部分があるところを直すどころか、彼に気づかせようとすらしてこなかった。上司としてのふがいなさと、彼に対する申し訳のなさが、急に胸にこみ上げてきたのでした。
その後、私は自らの上司に言われました。上司は部下を選べるが、部下は上司を選べないのだぞ、と。上司は部下の人生を背負っているんだ、という言葉は、とても重く私の心にのしかかってきました。
思えば、私はそれまでも、部下をもつことの責任感について、自らの上司から厳しく指摘されることが何度かありました。たとえば、部下の評価面談を期日ギリギリに設定し、スカイプによる遠隔で行ったとき。評価面談は、半年間頑張ってきた部下を褒め、改善すべき点は指摘し、今後の仕事につなげてもらう、上司としての非常に重要な仕事。そんな重要な面談をこんなギリギリに行うなと。
イシンには、社員の表面的な仕事だけではなく、仕事への向き合い方といった本質的なところまで指摘くれる人たちたくさんがいます。一人ひとりの社員を大切に扱うからこそ、優れたところは褒め、ときには厳しく叱る。そんな文化を日々感じていたからこそ、私は部下が辞めた際、自らの上司としての責任感の薄さに、ようやくですが気づくことができたのだと思います。
いまでは私も、より本質的な教育やマネジメントを行うよう意識し、部下と向き合えるようになりました。
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そして、3年目にはついに事業部長に就任しました。部下の退職を経験し、自らのマネジメントの甘さに気づいた矢先でした。リーダーとしての成長が評価されたのだと、とにかく嬉しく感じましたね。
実際に事業部長になると、組織を運営したり、事業を開発し、伸ばしていく責任を負う、より高い仕事の質が求められるようになりました。それまでよりも一段も二段も難しい仕事であると気づきましたね。
事業部長になってからは、あらゆる結果に対する責任が私の肩にかかっています。例年通りに売上やサービスを維持することはそう難しくはないのでしょうが、それ以上の成長や新しい事業展開をめざすとなると、自分の真価が問われます。「解」のないところに対して、自分で思考し、実践しなければならないのです。
いまは、自分が現場に出て売り上げを立てるというよりは、いかにメンバーを育てて売り上げを立ててもらうかを考える立場です。事業体として、どのように売上を伸ばせるかといった戦略策定にも時間を使わないといけません。「組織をつくっていくこと」はクチで言うほど簡単ではないのだと実感する毎日です。
こうして、日常で求められる仕事のレベルが高く、事業家としての成長をもたらしてくれるところが、ほかならぬイシンの魅力だと思っています。
そして、イシンが誇れるところは、「差別化された事業」を確立できているところでしょう。これまでイシンを支えてきた、事業モデルや企画・編集力は、他社にはマネできない、独自性のある強みです。
さらに、人に対して親身になって考え、社員のキャリアを考えてくれる環境も、イシンにはあります。半期ごとに開かれる全社員の評価会議は、役員と事業部長が丸3日間こもりきりになり、新卒1年目の社員まで含んだ、全社員の評価について喧喧諤諤の議論をするんです。
私はそんなイシンを、より名の通った会社にしたい。いろんな経営者と会って思うのは、世の中には面白い経営をしたり、独自性のある事業で成長している企業は多いということ。そういう経営手法や組織の考え方などは素晴らしいものがあります。そしてイシンも、そうした会社のひとつだと思っています。
面接を通じて関わった学生が、迷いながらも知名度のある他社への入社を決断するケースに会うと、「イシンの良さを伝えきれなかった」と悔しさを感じます。イシンをもっともっと知ってもらうために、より価値の高いサービスを提供して、事業も組織も大きくしていきたい。そして、自分の事業部を、イシンをけん引する部署にしていきたいです。
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